カメラのダイナミックレンジ
(RAWファイルの本当のメリットとは?)
Feb. 2016:Release
目次
6) カメラのダイナミックレンジと写真の関係
先ほど、写真(紙にプリントされた写真)のダイナミックレンジはカメラより狭いとお伝えしました。
ならば写真は、カメラのダイナミックレンジのどこを使っているのでしょうか?
もし中央部分を使っているだろうと思われたら、当たりです。
通常でしたら、カメラが勝手に(自動的に)中央部を抜き出して画像を作ってくれるのです。
それを紙にプリントすれば、下の様な普通の写真になります。
カメラのダイナミックレンジの中央部をプリント
ですが、もっと別の抜き出し方も可能です。
例えば、下のチャートにある水色の破線の様に、カメラのダイナミックレンジの上部の画像をプリントしたらどうなるでしょうか?
下の写真をご覧頂きます様に、島影に沈む丸い夕日が判別できる写真になります。
カメラのダイナミックレンジの上部(明部)をプリント
ただし海岸線は真っ暗になります。
一方ダイナミックレンジの下部をプリントしたらどうなるでしょう。
下の写真の様に今まで見えなかった陸地の建物や木々が判別できる写真になります。
カメラのダイナミックレンジの下部(暗部)をプリント
ですが夕日は白く飛んでしまっています。
という訳で、今回分かった事をまとめると以下の様になります。
①私達が普段見ているカメラの写真は、カメラのダイナミックレンジの中央部分を抜き取ったものである。
②カメラのダイナミックレンジの上部、或いは下部を抜き取ると、明部あるいは暗部を撮影した写真になる。
③カメラのダイナミックレンジが広いと、どこの領域をプリントするかによって、異なる写真を入手できる。
これでカメラのダイナミックレンジと写真の関係についてほぼご理解頂けたと思いますので、次はもっと一般的なモニターで見た場合を考えてみたいと思います。