ストロボの調光補正が機能しない場合の対処方法
2021/05/11:発行
はじめに
ストロボのTTL自動調光を使った撮影をしていて、こんな経験はありませんでしょうか。
調光補正でプラスやマイナス側に設定しても、被写体の明るさ(ストロボの光量)が変わらない。
ストロボの調光補正が効かない場合どうするか
調光補正をプラスにしても明るくならないのらば、ストロボの光量不足なのはスンナリ納得できるのですが、調光補正をマイナスにしても変化しないとはこれ如何に?
今回はその何故に迫ってみたいと思います。
ストロボ光量の低域限界
答えは簡単で、ストロボ光量の低域側にも限界があるからです。
余り知られていませんが、ストロボの光量は、放電の強さ(電圧)ではなく、放電時間の長さを変えて調整しています。
このためフル発光時の放電時間が0.01秒だとすると、最小光量のときは0.0001秒以下になります。
ですので、ガイドナンバーが60というような大型のクリップオンストロボであっても、発光時間をフル発光時の1/10にすればガイドナンバーは6、1/100にすれば0.6にまで下げる事ができます。
さて、フィルム時代はそれで十分だったのですが、デジタルになって問題が出てきました。
と言うのは、最近のカメラはISO感度がどんどん上がってきていますので、夜間にISO感度を上げて撮る事は良くある事です。(昔はシャッタースピードを遅くして対応していたのですが)
その場合、例えガイドナンバーが0.6であっても、ISO感度を100から6400までに上げると、ガイドナンバーは何と19と小型ストロボ並みの明るさになってしまうのです。
すなわち調光補正でマイナスにしても、ストロボがそこまで光量を下げれないので、撮った写真は明るいままになってしまうという訳です。
となると、TTL自動調光は諦めるしかないかと言えば、そんな事はありません。
ストロボの光量を、全体的に落としてやれば良いのです。
例えば、ストロボの照射角を拡げたり、ストロボに搭載されている拡散板やディヒューザを取り付けたり、それでも足りなければ白いハンカチや紙でストロボ前面を覆(おお)えば良いのです。
まとめ
すなわち、ISO感度を上げ気味にしていてマイナスの調光補正が効かない場合は、ストロボの光量を全体的に下げてやれば良いのです。
ここでウッカリ、やっぱりTTL自動調光は使えないと思ってマニュアルモードに切り替えると、飛んでもなく撮影が面倒になりますので、ご注意を。