小学生でも分かるEV値の話
(EV値とAV値とTV値の関係)

Apr. 2016:release
Feb. 2020:modified
May. 2020:Calculation method Added

目次



1. はじめに


写真好きな方でしたら、EV値という言葉を聞かれた事があるでしょう。


EV値を測定する露出計

今時のカメラでしたら、そんな事は全く知らないでも綺麗な写真は撮れるのですが、知っていれば何かと便利です。

という訳で、本書ではEV値とそれに関連したAV値とTV値について、分かり易く簡単に、且つ奥深くご説明したいと思います。


2. EV値とは


それでは先ずEV値について、簡単にご説明しておきます。

EV(Exposure Value)とは、直訳すれば露出値ですが、もっと分かり易く言えば明るさを表す指標になります。

なおEV値と書くと、正確には”露出値値”になってしまうのですが、ここでは一般的に使われているEV値と書く事をご容赦願います。

そして、このEV値には2つの決まり事があります。

先ず1つ目は、EV値の基準となるEV0とは、ISO感度が100で、絞りがF1.0で、シャッタースピードが1秒で写真を撮ると、適正露出になる様な被写体の明るさを指します。

2つ目は、EV値は、明るさが2倍、4倍、8倍に増えるにつれて、1、2、3と増え、逆に明るさが1/2、1/4、1/8と減ると、-1、-2、-3と減ってくという事です

これを表にすると、以下の様になります。

明るさ
明るさの目安 EV値 倍率
真夏のビーチ EV16 65536倍
快晴 EV15 32768倍
晴れ EV14 16384倍
薄日 EV13 8192倍
曇り EV12 4096倍
雨曇り EV11 2048倍
陳列棚 EV10 1024倍
明るい部屋 EV9 512倍
エレベータ EV8 256倍
体育館 EV7 128倍
廊下 EV6 64倍
休憩室 EV5 32倍
暗い室内 EV4 16倍
観客席 EV3 8倍
映画館 EV2 4倍
日没後 EV1 2倍
薄明り EV0 1倍
深夜屋内 EV-1 1/2倍
月夜 EV-2 1/4倍
おぼろ月夜 EV-3 1/8倍
星空 EV-4 1/16倍
表1: EV値の目安の明るさと倍率

これをご覧頂きます様に、EV0とは日の沈んだ薄明り程度の明るさを指し、EV16とは真夏のビーチの様にまぶしいほどの明るさを指します。

その差はEV値で16ですが、それを倍率で表すと65,536倍になるという訳です。

ですのでEV値とは、光の明るさを倍率で表すと桁数が多くなるので、もっと扱い易くて分かり易い数値にしたものと考えれば大きな間違いではありません。

ちなみに、お手元のカメラの説明書に測光範囲:EV-3~ EV20と書かれているとしたら、そのカメラは月夜から真夏のビーチよりも明るい場所でも測光が可能という 事を表しています。

一昔前のフィルムカメラの測光範囲は、EV0~EV17程度でしたので、いつの間にか広くなったものです。

これは暗い方で8倍、明るい方で8倍、測光範囲が広がった事になります。


3. EV値と照度の関係


表1をご覧になって、もしかしたらEV値と明るさの程度を示す照度(Lux)には、関係があるのではないかと思われた貴方は鋭いです。

おっしゃる通りで、両者には以下の様な相関関係があります。

明るさ
明るさの目安 EV値 倍率 照度
真夏のビーチ EV16 65536倍 164 kLux
快晴 EV15 32768倍 81.9 kLux
晴れ EV14 16384倍 41.0 kLux
薄日 EV13 8192倍 20.5 kLux
曇り EV12 4096倍 10.2 kLux
雨曇り EV11 2048倍 5.12 kLux
陳列棚 EV10 1024倍 2.56 kLux
明るい部屋 EV9 512倍 1.28 kLux
エレベータ EV8 256倍 640 Lux
体育館 EV7 128倍 320 Lux
廊下 EV6 64倍 160 Lux
休憩室 EV5 32倍 80 Lux
暗い室内 EV4 16倍 40 Lux
観客席 EV3 8倍 20 Lux
映画館 EV2 4倍 10 Lux
日没後 EV1 2倍 5 Lux
薄明り EV0 1倍 2.5 Lux
深夜屋内 EV-1 1/2倍 1.25 Lux
月夜 EV-2 1/4倍 0.63 Lux
おぼろ月夜 EV-3 1/8倍 0.31 Lux
星空 EV-4 1/16倍 0.16 Lux
表2: EV値と照度の関係

ですので、その気になればカメラの露出計を照度計の代わりに使う事もできます。

これでEV値とは、物理的に明るさを示す絶対値である事はご理解頂いたと思います。

そしてEV値が1段上がるにつれて、照度も2倍ずつ大きくなる事から、2倍ずつ明るくなっていく事もご理解頂いたと思います。

復習を兼ねて、ここまでを簡単にまとめると以下の様になります。

EV値とは照度と同じ様に明るさを表す指標である。

ただし照度と異なり、明るさが2倍、4倍、8倍と増えるにつれて、1、2、3と1ステップずつ増えていく。


では一体何のためにこの様な数値の付け方をしたのでしょうか?

それが次のAV値とTV値の話に続きます。


4. EV値の記述方法の違い


でもその前に、少し面白い話をお伝えしましょう。

EV値は写真業界で広く使われているのですが、長さや照度と違ってSI単位(国際単位)ではない事から書き方が完全には統一されていません。

下の表は、各社のカメラの仕様書から、測光範囲と露出補正に関する記述を抜き出したものです。

メーカー 機種 測光範囲の記述 露出補正の記述
ニコン D5 -3~20EV ±5段、補正ステップ:1/3、1/2、1ステップに変更可能
キヤノン EOS-M3 EV1~20 1/3段ステップ±3段
ソニー α7 EV0~ EV20 ±5.0EV (1/3EV, 1/2EV ステップ選択可能)
オリンパス E-PL7 EV -2~20 ±5 EV*(1/3、1/2、1 EV ステップ選択可能)
パナソニック GH4 EV 0~18 1/3 EVステップ ±5 EV(動画時、±3 EV)
ペンタックス K-3 EV-3~18 ±5EV(1/2EVステップ 、1/3EVステップ選択可能

色を変えておきましたが、これをじっくり見て、記述方法に微妙な違いがあるのに気が付かれましたでしょうか?

先ず測光範囲の記述方法については、EVの前に数字がある場合と、逆にEVの後に数字がある場合の2種類あるのです。

前者はニコンが採用していますが、これは例外だと思って頂いて良いでしょう。

ですので、本書はニコン以外のメーカーと同様に、EVの後に数値を書く事にします。

次に露出補正の記述方法ですが、段と書く場合(ニコンとキヤノン)とEVと書く場合があります。

段とEVは同じものなので、これもどちらを使っても良いのですが、本書ではEVを使う事にします。

そしてここでもう一つ、是非知っておいて頂きたい事があります。

(ニコン以外は)測光範囲はEVの後に数字が書かれているのに対して、露出補正については段もしくはEVの前に数字が書かれています。

これは、例えば測光範囲のEV1というのは日没後の明るさを指すのに対して、+1EVというのはある明るさに対して1EV(1段階)明るいという意味を持たすために分けているのです。

これを少し難しく言うと、以下の様になります。


EV1の様にEVの後に数字を書くのは、明るさの絶対値を表している。

+1EVの様にEVの前に数字を書くのは、明るさの相対値を表している。


これを知って大した得はありませんが、かといって知っておいても損はないでしょう。

最後にもう一つ余計な事をお伝えしますと、キヤノンだけ露出補正を”1/3段ステップ”と呼んでいます。

段もステップもほぼ同じ意味ですので、他社の様に”1/3ステップ”(もしくは”1/3段”)とするのが、正しい日本語でしょう。

この辺の書き方も、そろそろカメラ映像機器工業会で統一すれば良いと思うのですが、なぜしないのでしょうか?


5. AV値


お待たせしました。

それでは次に、AV値についてご説明します。

これとTV値が分かれば、絞りとシャッタースピードとEV値の関係が分かってきます。

ご存じの様に絞り値は、絞りが大きく開いて状態からF1.0、F1.4、F2.0、F2.8と増えていきます。


なぜ1.4倍ずつ増えていくかと言えば、レンズ開口部の直径が1/√2(1/1.414) 倍になると、光の通る量が半分になる(円の面積=3.14x半径の2乗)からです。

ですので、上の図に光が通る量を、絞り値の下に追記すると以下の様になります。


次にAV(Aperture Value)値ですが、これはEV値と同様の方式で絞り値を表す指標になります

すなわち、絞りがF1.0のときAV0として、絞り値が1.4、2.0、2.8と大きくなるにつれて、AV1、AV2、AV3と増え、逆に絞り値が、0.7(1/√2)、0.5(1/√4)、0.4(1/√8)と減っていくにつれてAV-1、AV-2、AV-3と減っていく様になっています。

これを先程の図に追加すると以下の様になります。


AV値と絞り値は、上の図の様な関係にあると知って頂ければ十分です。

と言いながらも、ついでに絞り値をAV値に変換する方法をお伝えしておきます。

絞り値をAV値に変換する方法(Excel式)

AV値=絞り値の1.414を底とした対数=LOG(絞り値,(2)^0.5)

ですので、もし絞りF16のAV値が求めたければ、
以下をExcelのセルに入力すれば、8と表示されます。

=LOG(16,(2)^0.5)



6. TV値


次にTV(Time Value)値ですが、これもEV値やAV値と同様の方式でシャッタースピードを表す指標です

この場合、下の表にあります様に、シャッタースピードが1秒のときTV0として、シャッタースピードが2倍、4倍、8倍と早くなると、TV1、TV2、TV3と増え、逆にシャッタースピードが、1/2、1/4、1/8と遅くなるにつれてTV-1、TV-2、TV-3と減っていく様になっています。

シャッタースピード 2秒 1秒 1/2秒 1/4秒 1/8秒 1/15秒 1/30秒 1/60秒 1/125秒
TV値 TV-1 TV0 TV1 TV2 TV3 TV4 TV5 TV6 TV7

さらにこれを、先程お伝えしたAV値と一緒の表にすると以下の様になります。

絞り 倍率 シャッタースピード
絞り AV値 シャッター
スピード
TV値
F256 AV16 1/65,536倍 1/64,000秒 TV16
F181 AV15 1/32,768倍 1/32,000秒 TV15
F128 AV14 1/16,384倍 1/16,000秒 TV14
F90 AV13 1/8,192倍 1/8,000秒 TV13
F64 AV12 1/4,096倍 1/4,000秒 TV12
F45 AV11 1/2,048倍 1/2,000秒 TV11
F32 AV10 1/1,024倍 1/1,000秒 TV10
F22 AV9 1/512倍 1/500秒 TV9
F16 AV8 1/256倍 1/250秒 TV8
F11 AV7 1/128倍 1/125秒 TV7
F8 AV6 1/64倍 1/60秒 TV6
F5.6 AV5 1/32倍 1/30秒 TV5
F4.0 AV4 1/16倍 1/15秒 TV4
F2.8 AV3 1/8倍 1/8秒 TV3
F2.0 AV2 1/4倍 1/4秒 TV2
F1.4 AV1 1/2倍 1/2秒 TV1
F1.0 AV0 1倍 1秒 TV0
F0.7 AV-1 2倍 2秒 TV-1
F0.5 AV-2 4倍 4秒 TV-2
F0.4 AV-3 8倍 8秒 TV-3
F0.3 AV-4 16倍 16秒 TV-4

これをご覧頂く様に、EV値の場合数値が大きくなるにつれて明るくなっていましたが、AV値とTV値の場合、数値が大きくなるにつれて光を通す量は減っていきます。

なぜこうなる様にしたのかについては、次でご説明します。

ちなみに、シャッタースピードをTV値に変換する方法は以下の通りです。

シャッタースピードをTV値に変換する方法(Excel式)

TV値=シャッタースピードの逆数の2を底とした対数=LOG(1/シャッタースピード,2)

もしシャッタースピード1/800秒のTV値が求めたければ、
以下をExcelのセルに入力すれば、9.6と表示されます。

=LOG(800,2)





7. EV値とAV値とTV値の関係


今までの話で、EV値もAV値もTV値も1段階ずつ増えるにつれて、2倍、4倍もしくは1/2、1/4と変化する事が分かって頂いたと思います。

これでどんなメリットがあるかと言えば、以下の式が成り立つのです。

EV値=TV値+AV値

例えば、ある晴れた日のEV値が15だとします。

このときに、絞りをAV6(F8)にセットした場合、以下の計算によりTV値は9(1/500秒)にすれば適正露出になるという訳です。

TV値 EV値 - AV値
15 - 6
9

この組み合わせを表にすると以下の様になります。

絞り シャッタースピード TV値+AV値
(EV値)
AV値 絞り値 TV値 シャッタースピード
AV9 F22 TV6 1/60秒 EV15
AV8 F16 TV7 1/125秒 EV15
AV7 F11 TV8 1/250秒 EV15
AV6 F8 TV9 1/500秒 EV15
AV5 F5.6 TV10 1/1,000秒 EV15
AV4 F4.0 TV11 1/2,000秒 EV15
AV3 F2.8 TV12 1/4,000秒 EV15
AV2 F2.0 TV13 1/8,000秒 EV15

この表をご覧頂きます様に、横のラインのAV値とTV値を足すと、全て15になる事が分かって頂けると思います。

すなわち同じ明るさの被写体を、絞りF22+シャッター速度1/60秒で撮っても、絞りF2.0+シャッター速度1/8000秒で撮っても、同じ様に写るという訳です。

これで3者の関係をご理解頂けたでしょうか。


ところで、また本サイトお得意の脱線です。

キヤノンのカメラのコントロールダイヤルには、AvやTvの文字があります。


EOS EOS 5D Mark IVのモードダイヤル

これは、絞り優先(Av)やシャッター優先(Tv)を表しており、本書で言う所のAV値やTV値と異なるものです。

恐らくこの文字を最初に使ったのはキヤノンA-1ではないかと思うのですが、一度使ってしまった以上操作性を統一するために、それ以降変えられなかったのでしょう。




キヤノンA-1の操作部

実際AvやTvという文字を使っているのはキヤノンだけで、他社はA、Sと一文字を使っています。


他社のモードダイヤルの表示

これまたどうでも良い話でした。


8. EV値とAV値とTV値の関係


(話は戻って)そうは言っても、AV値やTV値だけ分かっても、簡単には絞りやシャッタースピードは分かりません。

そこで考えられたのが、以下の換算表です。

AV値 AV0 AV1 AV2 AV3 AV4 AV5 AV6 AV7 AV8
TV値 絞り F1.0 F1.4 F2 F2.8 F4 F5.6 F8 F11 F16
シャッター
スピード
TV-4 16秒 EV-4 EV-3 EV-2 EV-1 EV0 EV1 EV2 EV3 EV4
TV-3 8秒 EV-3 EV-2 EV-1 EV0 EV1 EV2 EV3 EV4 EV5
TV-2 4秒 EV-2 EV-1 EV0 EV1 EV2 EV3 EV4 EV5 EV6
TV-1 2秒 EV-1 EV0 EV1 EV2 EV3 EV4 EV5 EV6 EV7
TV0 1秒 EV0 EV1 EV2 EV3 EV4 EV5 EV6 EV7 EV8
TV1 1/2秒 EV1 EV2 EV3 EV4 EV5 EV6 EV7 EV8 EV9
TV2 1/4秒 EV2 EV3 EV4 EV5 EV6 EV7 EV8 EV9 EV10
TV3 1/8秒 EV3 EV4 EV5 EV6 EV7 EV8 EV9 EV10 EV11
TV4 1/15秒 EV4 EV5 EV6 EV7 EV8 EV9 EV10 EV11 EV12
TV5 1/30秒 EV5 EV6 EV7 EV8 EV9 EV10 EV11 EV12 EV13
TV6 1/60秒 EV6 EV7 EV8 EV9 EV10 EV11 EV12 EV13 EV14
TV7 1/125秒 EV7 EV8 EV9 EV10 EV11 EV12 EV13 EV14 EV15
TV8 1/250秒 EV8 EV9 EV10 EV11 EV12 EV13 EV14 EV15 EV16
TV9 1/500秒 EV9 EV10 EV11 EV12 EV13 EV14 EV15 EV16 EV17
TV10 1/1,000秒 EV10 EV11 EV12 EV13 EV14 EV15 EV16 EV17 EV18
TV11 1/2,000秒 EV11 EV12 EV13 EV14 EV15 EV16 EV17 EV18 EV19
TV12 1/4,000秒 EV12 EV13 EV14 EV15 EV16 EV17 EV18 EV19 EV20
TV13 1/8,000秒 EV13 EV14 EV15 EV16 EV17 EV18 EV19 EV20 EV21
ISO100におけるEV値とAV値とTV値の関係

上の表の上部(ピンク)が絞り、左側(緑の部分)がシャッタースピード、黄色の部分がEV値になります。

ですので、もし被写体の明るさがEV15(太字)であれば、EV15の所で交差する1/8000秒とF2の組み合わせ~1/125秒とF16の組み合わせまでが使用可能という訳です。

なお折角ですので、明るさの目安とシャッタースピードと絞りの組み合わせの表も下に載せておきます。

絞り F1.0 F1.4 F2 F2.8 F4 F5.6 F8 F11 F16
シャッター
スピード
16秒 星空 おぼろ月夜 月夜 深夜屋内 薄明り 日没後 映画館 観客席 暗い室内
8秒 おぼろ月夜 月夜 深夜屋内 薄明り 日没後 映画館 観客席 暗い室内 休憩室
4秒 月夜 深夜屋内 薄明り 日没後 映画館 観客席 暗い室内 休憩室 廊下
2秒 深夜屋内 薄明り 日没後 映画館 観客席 暗い室内 休憩室 廊下 体育館
1秒 薄明り 日没後 映画館 観客席 暗い室内 休憩室 廊下 体育館 エレベータ
1/2秒 日没後 映画館 観客席 暗い室内 休憩室 廊下 体育館 エレベータ 明るい部屋
1/4秒 映画館 観客席 暗い室内 休憩室 廊下 体育館 エレベータ 明るい部屋 陳列棚
1/8秒 観客席 暗い室内 休憩室 廊下 体育館 エレベータ 明るい部屋 陳列棚 雨曇り
1/15秒 暗い室内 休憩室 廊下 体育館 エレベータ 明るい部屋 陳列棚 雨曇り 曇り
1/30秒 休憩室 廊下 体育館 エレベータ 明るい部屋 陳列棚 雨曇り 曇り 薄日
1/60秒 廊下 体育館 エレベータ 明るい部屋 陳列棚 雨曇り 曇り 薄日 晴れ
1/125秒 体育館 エレベータ 明るい部屋 陳列棚 雨曇り 曇り 薄日 晴れ 快晴
1/250秒 エレベータ 明るい部屋 陳列棚 雨曇り 曇り 薄日 晴れ 快晴 真夏のビーチ
1/500秒 明るい部屋 陳列棚 雨曇り 曇り 薄日 晴れ 快晴 真夏のビーチ EV17
1/1,000秒 陳列棚 雨曇り 曇り 薄日 晴れ 快晴 真夏のビーチ EV17 EV18
1/2,000秒 雨曇り 曇り 薄日 晴れ 快晴 真夏のビーチ EV17 EV18 EV19
1/4,000秒 曇り 薄日 晴れ 快晴 真夏のビーチ EV17 EV18 EV19 EV20
1/8,000秒 薄日 晴れ 快晴 真夏のビーチ EV17 EV18 EV19 EV20 EV21
ISO100における明るさの目安と絞りとシャッタースピードの組み合わせ

この表があれば、万一露出計が壊れても何とか写真を撮る事が可能になります。




9. ISO感度について


さて最後に、ISO感度についても述べておきます。

今まではISO感度は100に固定して話をしていましたが、それではISO感度が変わったらどうすれば良いのでしょう。

これは非常に簡単で、EV値を補正してあげれば良いのです。

例えばISO200に変更した場合、EV値を1段増やせば良いのです。

具体的には、被写体の明るさがEV15だったとして、ISO200にした場合、EV15に1を足してEV16として設定を変更すれば適正露出になるという訳です。

とは言え、突然ISO51,200と言われても何段上乗せすれば良いのかピント来ないと思いますので、早見表を以下に載せておきます。

ISO感度 補正段数
25 -2
50 -1
100 0
200 1
400 2
800 3
1,600 4
3,200 5
6,400 6
12,800 7
25,600 8
51,200 9
102,400 10
204,800 11
409,600 12
819,200 13
1,638,400 14

例えば、ISO100だったのをISO51,200に変更した場合、9段分EV値を上げてやれば良い事になります。

なお上記表の補正段数を(ここで勝手に)ISO値と呼ぶとすると、4者の関係は以下の様になります。

EV値=TV値+AV値-ISO値

たとえば前述の様に、ある晴れた日のEV値が15で、AV値が6(F8)で、ISO値が2(ISO400)の場合、以下の計算によりTV値は11(1/2000秒)で適正露出になるという訳です。

TV値 EV値 - AV値 - ISO値
15 - 6 + 2
11


10. まとめ


それでは最後にまとめです。

1)EV値とは、明るさを表す指標であり、ISO感度が100で、絞りがF1.0で、シャッタースピードが1秒で適正露出になる明るさを、EV0とする

2)またEV値は、明るさが2倍、4倍、8倍に増えるにつれて、1、2、3と増え、逆に明るさが1/2、1/4、1/8に減ると、-1、-2、-3と減ってく。

3)AV値とTV値は、それぞれF1.0と1秒をAV0、TV0として、EV値と同じ様に2倍ずつ増える度に、1段ずつアップする。

4)3者には以下の関係が成り立つ。

EV値=TV値+AV値

5)ISO感度を100以外に変更する場合、ISO感度が2倍、4倍、8倍に増えるにつれて、+1、+2、+3とEV値を増してやれば良い。



本書がお役に立てば幸いです。


小学生でも分かるEV値の話(EV値とAV値とTV値の関係)





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