写真写りを良くする方法
(可愛く写るための全10章)
Jan. 2013:発行
Jul. 2019:更新
Jul. 2019:更新
目次
はじめに
誰しも、いつまでも残る写真は綺麗で可愛く写りたいものです。
とは言え、いざでき上がった写真を見ると、全くもって不自然な笑顔に、どうみてもパッとしないポーズと、なかなか期待通りには写ってくれないものです。
何故なのでしょう?
そう思ったら、先ずは下の2枚の写真を見比べて下さい。
少々逆光気味ですが、いずれもありふれた海辺の写真です。
この中のブルーの水着の女性を比較すると、カメラを強く意識している左の写真に比べて、全く意識していない右の写真の方が伸びやかでスタイルも良く、偶然ですが胸に当たる日差しのコントラストも決まっている様に思いませんか?
右の写真で、できればバックがもう少しすっきりしていて、なお且つ顔がほんの少しこちらを向いていれば、もっと魅力的な写真になるのにと思ったりもします。
美しく写るコツはどうもこの辺に秘密がありあそうな気がするのですが、写真の手引き書を見ると、レンズがどうの/絞りがどうのとテクニカルな話、もしくはアゴを引け/目を大きく/片足を前に、とお決まりのアドバイスばかりで、その辺りに関する物が殆どありませんでした。
という訳で、ここでは写真写りを良くする方法を、もう一歩踏み込んで述べてみたいと思います。
少々幾何学的な記述もありますが、参考になれば幸いです。
第1章:人は自然の美しさを好む
写真の話をする前に、先ず知っておいて頂きたい事があります。
あまり知られていませんが、人は左右対称を好み、1対1.618の比率(黄金分割)を美しく感じるという特性があります。
左右対称の正規分布カーブ 左右対称+黄金分割のモナリザ 黄金分割のバラの花びら
この理由は簡単で、人間を含む自然界の多くがこの左右対称や黄金分割で成り立っているからです。
驚かれるかもしれませんが、人、動物、植物、星をはじめとした自然界の全ての物(万物)は全て左右対称で成り立っているのです。
実際、心臓は身体の左側にあると言われますが実はセンターにあり、朝顔のツルも台風の渦も南半球にいけば逆に回転しているのはご存じの通りで、自然界には左右という概念は存在しないのです。
また写真の花びらに見られる様に、生物が成長する過程において黄金分割の特徴が多数見られます。
この本能に近い理由により、人は人工的ではないこの自然な形状(プロポーション)を本質的に美しいと感じるのです。
何が言いたいかというと、先ずはモデルとなる貴方自身が(人工的ではない)均整のとれたプロポーションで、且つ自然な振る舞いをする必要があるという事です。
すなわち写真写りを良くするには、不自然さ(或いはわざとらしさ)を極力排除しなければいけないという事です。
第2章:左右非対称のポーズを心掛ける
前章で人は左右対称を好むとお伝えしましたが、ところが何故かこと女性の写真については、左右非対称の方が好まれます。
と言うと、前段と明らかに矛盾していると思われるかもしれませんが、人は物としては左右対称を好むものの、写真においては左右非対称を好むという事です。
その理由は定かではありませんが、左右非対称になる事で重心が傾き、次にどう動くのか想像を描き立てるのかもしれません。
或いは女性の写真だけは、アンバランスな方が魅力的なのかもしれません。
真偽のほどはともかく、写真写りを良くしたいと思われている方は、先ずは下の写真をじっくり見て下さい。
かなり演出した並びになっていますが、真正面から撮った左右対称(symmetry)の写真に比べ、顔写真でも上半身でも身体全体の写真でも、左右非対称(asymmetry)の写真の方が、明らかに人の目を引きつけるのが分かって頂けると思います。
このためには、身体の向き、手や脚の角度、あるいは身体をねじる事によって、多少不自然と思うほど左右非対称のポーズにすれば良い事になります。
ただしここで重要なのは、その左右非対称の状態で完全に停止(freeze)しない事です。
完全に停止したらどうなるかは、次の章でお伝えしますが、ここでは左右非対称の写真は流れのある動作の中の途中であるという事を理解しておいて下さい。
例えば一番左の女性は、次に重心を逆の足に移動させ、腰の手も逆にすると想像させ、2番目の女性は次に踵を変えて向こうに去っていく様にさえ思わせます。
ですから、先ずは上の写真を参考にいくつかのポーズを覚えて、それを流れる様に移行できる様に、鏡の前で練習してみましょう。
これはダンスと同じですので、好きな音楽を掛けて行うのがお勧めです。
この練習をするかどうかが、貴方が写真の様なモデルになれるかどうかの分かれ目です。
なおもしどうしてもそれが難しいという方のために、その解決策は最後のまとめで述べます。