Nikon1 J2で星空を撮る方法




はじめに


さあ、夜空にまたたく星達を撮ってみましょう。


さそり座と天の川 at 6月中旬 on 渡嘉敷島(F4.0 30秒 ISO3200 15mm)

フィルムカメラの時代は、フィルム感度の問題からそこそこ敷居が高かった星の撮影ですが、今ならマニュアルフォーカスとマニュアル露出のできるカメラでしたら、間違いなく写せます。

ですが分かり難いマニュアルをひっくり返して、手持ちのカメラの設定方法を調べるのは本当に苦労します。

という訳で、マニュアルを一切見ないで星空を撮影する方法を機種別にご用意しました。

その第一弾はNikon1のJ2です。


今後どんどん機種を増やしていきますので、お楽しみに。


星空撮影の準備


それでは先ず星空撮影の準備をします。

必要な物は、以下の通りです。

1: カメラ

ここではNikon1の中級機であるJ2を使用します。

       
Nikon1 J2    Nikon1 J3    Nikon1 J5    Nikon1 S1    Nikon1 S2

恐らくNikon1のJシリーズやSシリーズでしたら、同じ様に使えるのではないかと思いますので、確認後また情報をアップします。

2: レンズ

レンズは既にカメラに装着されていると思いますが、星空撮影ではどちらかと言えば広角レンズの方が、星や周囲の木々がたくさん写って印象的な写真になります。

       
VR 6.7-13mm  VR 10-30mm   11-27.5mm   10mm f/2.8   18.5mm f/1.8
(18-35mm)   (27-81mm)   (30-74mm)     (27mm)     (50mm)

上のレンズでしたら、一番左のVR 6.7-13mm f/3.5-5.6が超広角ズームでお勧めになります。

ただしフルサイズ用の超広角ズームでしたら、10万円以上しますので、そういう意味ではNikon1のレンズはコストパフォーマンスは高いと言えます。

なお光量の少ない夜間撮影の方が、レンズの曇り汚れ、或いは周辺の明かりの影響を受け易いので、事前にレンズ表面の清掃や、フードの準備もしておきましょう。

なお上のレンズでVR(Vibration Reduction)と付いているのは、手ブレ補正機能の付いたレンズの事です。

後述しますが、このレンズを使って三脚撮影する場合は、手ブレ補正機能をOFFにした方が安定した撮影が可能になります。

3: 三脚

普通の記念撮影でしたらカメラをテーブルの上に置けば良いのですが、斜め上を撮るにはどうしても三脚が必要になります。

         

ただし地面に置いて、上を向かせるだけですので、小型の物で十分です。

4: 予備の電池

ご存じかもしれませんが、昼間の撮影より夜間の撮影の方が断然電気を多く消費します。

その理由は、少ない光量を電気を一杯使って増幅するからです。

おまけにその状態を長時間続けますので、電池がどんどん消耗する事になります。

       


このため、星空撮影には予備の電池を用意するか、もし手持ちの電池が1個しかなければ、事前にフル充電しておく事をお勧めします。

5: リモコン

その他として、シャッターを押した際の振動を防ためのぐリモコンもありますが、無い場合に備えてここでは後述の2秒タイマーを使います。

   


カメラの事前設定


星空を撮影するには、カメラの設定を色々変えなければなりません。

暗い所で行うと時間が掛りますので、事前に明るい所でやっておきましょう。





1: 長秒時ノイズ低減の解除


夜間の長時間露光においては、長時間ノイズ低減の設定を行うべきなのですが、先ずはそれを解除します。

その理由は、撮影時間が非常に長くなるからです。

そもそも長時間ノイズ低減とは、長時間撮影時の画像の中には電気的な余分なノイズが入っているので、真っ黒の画像を同じ時間だけ撮影して、そのノイズ分を撮影時の画像から差し引いてやろうというものです。


 
ノイズリダクション無し        ノイズリダクション有り

ですから、30秒露光を行うと、同じく30秒間の真っ黒画像の撮影が行われますので、トータルで1分間何もできなくなってしまいます。

本番撮影ならしかたがないのですが、先ずはピントや露出や構図の確認をしなければいけない時に、この余分な30秒は無駄です。

さらに真っ黒画像を撮影しますので、電池もその分大量に消費します。

という訳で、本番撮影の前は長時間ノイズ低減(ニコンでは長秒時ノイズ低減と呼んでいます)は以下の手順でOFFにしておきます。

①撮影モードダイヤルを回して、クリエーティブモードを選択する。


①メニューボタンを押して、表示されたメニューから、撮影メニュー→長秒時ノイズ低減をOFFにセットする。

③決定ボタンを押して終了する。


2: 2秒タイマーのセット


前記しました様に、シャッターを押した際の振動を防ぐため、2秒タイマーをセットします。

①ロータリーマルチセレクタのセルフタイマーボタン(◀印)を押す。


②表示されたメニューから、2s(2秒タイマー)を選択する。

③OKボタンを押して終了する。


3: ホワイトバランスの設定


ホワイトバランスは恐らくデフォルトのままでしたらオートになっていると思いますので、そのままで構いません。

ただし実際星空を撮ると、赤みを掛けたかったり、逆にもっと青みを掛けたくなったりします。

その時に備えて、ホワイトバランスの調整方法も事前に確認しておきましょう。

①撮影モードダイヤルを回して、クリエーティブモードを選択する。


②メニューボタンを押して、表示されたメニューから、ホワイトバランスがオートになっている事を確認する。

③OKボタンを押して終了する。



4: 手ブレ補正機能の解除


三脚を使って撮影する場合、手ブレ補正機能は却ってブレの原因になります。

このため手ブレ補正機能の付いたレンズ(レンズ名にVRと付いているもの)を付けている場合は、手ブレ補正機能をOFFにします。

①撮影モードダイヤルを回して、クリエーティブモードを選択する。


②メニューボタンを押して、表示されたメニューから、手ブレ補正を選択する。

③表示されたメニューから、OFFを選択する。

③OKボタンを押して終了する。


5: マニュアルフォーカスの設定


次はいよいよ、マニュアルフォーカスの設定です。

昔のカメラでしたら、レンズにピントリングが付いていたので、簡単に無限遠(∞)に固定できたのですが、今はAF(オートフォーカス)が主流のため以下の手順が必要です。

①撮影モードダイヤルを回して、クリエーティブモードを選択する。

②メニューボタンを押して、表示されたメニューから撮影を選択する。


③表示されたメニューから、フォーカスモードを選択する。

④表示されたメニューから、MF マニュアルフォーカスを選択する。



⑤OKボタンを押してメニューを終了する。

⑥モニターを覗くと画面中央部が拡大表示されるので(もし表示されない場合は、再度OKボタンを押す)、なるべく遠くの街灯や建物にピントが合う様にロータリーマルチセレクタを回してピントを合わせる。



なおこのとき、撮影モードダイヤル上部の拡大バーを上下する事で、拡大倍率を変更する事ができます。

⑦ピントが合ったら、OKボタンを押して終了する。


なお今回は前準備の設定ですので、撮影現場に着いたら再度遠くの明るい物にカメラを向けてピント調整を行う事が必要です。

6: マニュアル露出設定


次は、マニュアル露出の設定です。

カメラの性能は非常に良くなってきており、今では殆どの場面は自動露出で撮れる様になってきました。

ですが、さすがに星空は光量が少なくて自動露出では撮れ切れません。

このため、以下の手順でマニュアル露出にして、絞りをF4.0(もしくはその前後)、シャッタースピードを30秒にセットします。

①撮影モードダイヤルを回して、クリエーティブモードを選択する。

②メニューボタンを押して、表示されたメニューから、露出モードを選択する。


③表示されたメニューから、M(マニュアル)を選択する。

④OKボタンを押して終了する。


⑤ロータリーマルチセレクタを回して、絞りをF4.0(もしくはその前後)にセットする。


⑥ロータリーマルチセレクタ上部の拡大レバーを上下して、シャッタースピードを30秒にセットする。



⑦電源を切って終了する

7: ISO感度の設定


ISO感度とは、以前主流でしたフィルムの感度に当たります。

この数字が大きければ大きいほど、小さな光でも写す事ができますが、その弊害として画像に電気的なノイズが乗って、ザラツイタ画像になります。

星空の場合、以下の手順でISO感度を3200に設定します。

①撮影モードダイヤルを回して、クリエーティブモードを選択する。

②メニューボタンを押して、表示されたメニューから、ISO感度設定を選択する。

③表示されたメニューから、3200を選択する。

④OKボタンを押して終了する。

8: 動作確認


設定が完了したら、最後に動作確認を行いましょう。

①どこか暗めの所にカメラを向けてシャッターを切ります。

②シャッターを押して2秒後にシャッターが開いて、30秒後にシャッターが閉じて真っ白な画像がモニターに表示されれば、設定OKです。


星空撮影


準備が完了したら、実際に星空の撮影を行いましょう。

①カメラを三脚にセットしたら、もう一度遠くの明るい物(例えば月や、遠くの街灯)にカメラを向けてピントを合わせます。

②変わっていないと思いますが、もう1度絞りがF4.0でシャッタースピードが30秒で、ISO感度が3200になっている事をモニターで確認します。

③カメラの設定はそのままで、カメラを撮りたい星空に向けて、シャッターを切ります。

④もし撮影された画像が暗ければ、ロータリーマルチセレクターを回してシャッタースピードを遅く(例えば60秒に)するか、拡大レバーを上下して絞りを開ける(例えばF2.8にする)か、前述のISO感度設定でコントロールホイールを回してISO感度上げ(例えばISO6400にし)ます。


F4.0             F4.0             F4.0
15秒             30秒             30秒
ISO3200           ISO3200           ISO6400

⑤もし撮影された画像が明るければ、ロータリーマルチセレクターを回してシャッタースピードを早く(例えば15秒に)するか、拡大レバーを上下して絞りを絞る(例えばF5.6にする)か、前述のISO感度設定でコントロールホイールを回してISO感度下げ(例えばISO1600にし)ます。

⑥上記③~⑤を繰り返して適正露出になったら、色見を前述のホワイトバランスを変えて調整します。



もし赤味を付けたいのでしたら、色温度を低めの4000K前後にするか、蛍光灯を選択します。


   WB: オート           WB:太陽光        WB:蛍光灯(昼白色)

もし青味を付けたければ、太陽光、日陰、曇天を選択します。

その他各種設定がありますので、色々変えて撮影しておく事をお勧めします。

⑦好みの色味になったら、前述の長秒時ノイズ低減の設定をONにして、最終画像を撮ります。


いかがでしょうか?

素敵な写真が撮れましたでしょうか?


星空撮影モード解除


星空の撮影が終了したら、最後に星空撮影モードを解除しておきましょう。

さもないと翌日写真を撮ると、ピントは合わないし、画像は真っ白になったりと面食らう事に成ります。

①セルフタイマーを解除する。

②ホワイトバランスを”オート”に戻す。

③手ブレ補正機能を”ACTIVE/ON”にする。

④フォーカスモードを”AF-A”にする。

⑤露出モードをマニュアル以外(例えば”Pプログラムオート”或いは”おまかせシーン”等)にする。

⑦ISO感度を”オート100-3200”に変更する。


なお設定変更の詳細手順については、上段の手順書を参考に願います。






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