はじめに
さそり座と天の川 at 6月中旬 on 渡嘉敷島(F4.0 30秒 ISO3200 15mm)
なお本書ではα7sのメニュー画面を使用していますが、メニュー位置が多少異なるものの、α7シリーズでしたら同じ様に設定すれば星空の撮影は可能です。 星空撮影の準備
1: カメラここではフルサイズ対応ミラーレス機である、α7シリーズを使用します。 ソニー 2: レンズレンズは既にカメラに装着されていると思いますが、星空撮影ではなるべく広角レンズの方が星や周囲の木々がたくさん写って印象的な写真になります。 なお夜間撮影の方が、レンズの曇りや、周辺の明かりの影響を受け易いので、事前にレンズ表面の清掃や、フードの準備もしておきましょう。 3: 三脚普通の記念撮影でしたらカメラをテーブルの上に置けば良いのですが、斜め上を撮るにはどうしても三脚が必要になります。
4: 予備の電池
5: レリーズその他として、シャッターを押した際の振動を防ぐレリーズもありますが、むしろこれが風で揺れてカメラに振動を与える恐れもありますので、ここでは使わないでおきます。 それでしたら、後述の2秒タイマーを使った方が安心です。 カメラの事前設定
シャープネスの設定シャープネスとは、被写体の輪郭がクッキリしている事です。 薄曇りの月の輪郭を見るとボヤケテいますが、晴れた日の月の輪郭はクッキリしています。 ですので、もし星達をクッキリ写したいのでしたらシャープネスを上げ、輪郭を少しボヤかして星を少し大きく見せたい場合は、シャープネスを下げます。 最初は標準のままで構いませんが、調整する場合に備えてメニューだけ事前に確認しておきます。 ①メニューボタンを押す。 ②表示されたメニューから、撮影設定#4→クリエイティブスタイル→スタンダード→シャープネス調整する。 なお上の写真では+2にセットしていますが、先ずは±0で構いません。 ③決定ボタンを押して終了する。 長時間ノイズリダクションの解除夜間の長時間露光においては、ノイズリダクションの設定を行うべきなのですが、先ずはそれを解除します。 その理由は、撮影時間が長くなるからです。 そもそも長時間ノイズリダクションとは、撮影時の画像の中に電気的なノイズが入っている可能性があるので、真っ黒の画像を同じ時間だけ撮影して、そのノイズ分を撮影時の画像から引いてやろうというものです。 ノイズリダクション無し ノイズリダクション有り ですから、30秒露光を行うと、同じく30秒間の真っ黒画像の撮影が行われますので、トータルで1分間何もできなくなってしまいます。 本番撮影ならしかたがないのですが、先ずはピントや露出や構図の確認をしなければいけない時に、この余分な30秒は無駄です。 さらに真っ黒画像を撮影しますので、電池もその分大量に消耗します。 という訳で、本番撮影の前はノイズリダクションは以下の手順でOFFにしておきます。 ①メニューボタンを押す。 ②表示されたメニューから、撮影設定#5→長時間NRを”切”にセットする。 ③決定ボタンを押して終了する。 2秒タイマーのセット前記しました様に、シャッターを押した際の振動を防ぐため、2秒タイマーをセットします。 ①メニューボタンを押す。 ②表示されたメニューから、撮影設定#2→ドライブモード→セルフタイマーの中から2秒セルフタイマーを選択する。 ③決定ボタンを押して終了する。
ホワイトバランスの設定ホワイトバランスは恐らくデフォルトのままでしたらオートになっていると思いますので、そのままで構いません。 ただし実際星空を撮ると、赤みを掛けたかったり、逆に青みを掛けたくなったりします。 その時に備えて、ホワイトバランスの調整方法も事前に確認しておきましょう。 ①メニューボタンを押す。 ②表示されたメニューから、撮影設定#4を選択し→ホワイトバランスをオートにセットする。 ③決定ボタンを押して終了する。 マニュアルフォーカスの設定次はいよいよ、マニュアルフォーカスの設定です。 昔のカメラでしたら、レンズにピントリングが付いていたので、簡単に無限遠(∞)に固定できたのですが、今はAF(オートフォーカス)が主流のため以下の手順が必要です。 ①メニューボタンを押す。 ②表示されたメニューから、撮影設定#3(α7もしくはα7Rの場合は撮影設定#2)→フォーカスモードをMF(マニュアルフォーカス)にセットする。 ③決定ボタンを押して終了する。 ④ファインダーを覗いて、なるべく遠くの街灯や建物にピントが合う様に、レンズのピントリングを回します。 もしくはファインダーに表示される距離指標を参考にピントリングを∞に設定しますが、実際に遠くの物にピントを合わせた方が精度は高くなります。 今は前準備の設定ですので、撮影現場に着いたら再度月等にカメラを向けてピント調整を行う事をお勧めします。 特にα7シリーズの場合、デフォルト設定でしたらC1ボタンを押してピント画像を2段階に拡大できるので、ご活用願います。 マニュアル露出設定つぎはいよいよ、マニュアル露出の設定です。 カメラの性能も非常に良くなって、今では殆どの場面は自動露出で撮れる様になってきましたが、さすがに星空は光量が少なくて自動露出では撮れ切れません。 このため、以下の手順でマニュアル露出にして、絞りをF2.8、シャッタースピードを30秒にセットします。 ①コントロールダイヤルを回して、M(マニュアル)にセットする。 ②前ダイヤルを回して、絞りをF2.8にセットする。 ③後ろダイヤルを回して、シャッタースピードを30"(30秒)にセットする。 ④電源を切る。 ISO感度の設定ISO感度とは、昔(今もありますが)のフィルムの感度に当たります。 この数字が大きいと、小さな光でも写す事ができます。 星空の場合、以下の手順でISO感度を3200に設定します。 ①メニューボタンを押す。 ②表示されたメニューから、撮影設定#3(α7sもしくはα7IIの場合は撮影設定#4)→ISO感度を3200にセットする。 ③決定ボタンを押して終了する。 なおカメラの設定がデフォルトのままでしたら、ホイールダイヤルを回せばISO3200に設定できます。 動作確認設定が完了したら、最後に動作確認を行いましょう。 ①どこか暗めの所にカメラを向けてシャッターを切ります。 ②シャッターを押して2秒後にシャッターが開いて、30秒後にシャッターが閉じて真っ白な画像がモニターに表示されれば、設定OKです。 星空撮影
F2.8 F2.8 F2.8 15秒 30秒 30秒 ISO3200 ISO3200 ISO6400
もし青味を付けたいのでしたら、色温度を低めの4000K前後にするか、蛍光灯:白色を選択します。 WB: オート WB:太陽光 WB:蛍光灯(昼白色)
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