フルHDでスローモーション撮影のできる
APS-Cサイズのミラーレス一眼
2021/1/9:発行
はじめに
フルサイズのカメラを使ったスローモーション動画に、すっかりご執心(しゅうしん)の幣サイトです。
EOS R6とRF24-105mm F4L USMで撮ったスローモーションポートレート
一般的な動画ですと、どうしてもホームビデオ的な印象しかなかったので敬遠していたすが、スローでシャローな動画ですと写真の様な趣(おもむき)もあって、且つ写真より明らかに表現力があります。
そうなると動きながら撮影するために、重いフルサイズ機はではなく、もっと軽いカメラがほしくなります。
そんな訳で、APS-Cサイズのミラーレス一眼でFHD120Pのスローモーション撮影ができる機種を探してみましたので、その結果をお知らせしたいと思います。
ソニー
それでは先ずソニーのAPS-Cサイズミラーレス一眼から見ていきたいと思います。
ソニーにおけるFHD120Pのスローモーション機能搭載機は、2016年に発売された4K30Pの動画機能を搭載したα6300からです。
α6500(16/12) |
α6300(16/4) |
α6000(14/3) |
第1世代のα6000シリーズ(α6000以外はスロー機能搭載)
このためα6000シリーズの第1世代ですと、2014年に発売されたα6000以外は、全てFHD1200Pのスローモーション機能を搭載しています。
なお第2世代になり、モニターはチルト式ながら自撮りに対応したものの、最上位機種であるα6600は内蔵ストロボが廃止されました。
第2世代以降、自撮り可能モニターを搭載(写真はα6400)
α6600(19/11) |
α6400(19/1) |
α6100(19/10) |
第2世代のα6000シリーズ
この中でどれが良いかとなると、当然ながら価格が高い程性能は良いのですが、最上位機種のα6500とα6600は動画に有利なボディー内手ブレ補正を搭載しているのが魅力です。
そういう意味では旧モデルなのでAF性能等が多少劣りますが、α6500がお買い得かもしれません。
フジフィルム
続いてフジフィルムは、2016年に発売したX-T2から4K30Pの動画には対応していたのですが、FHD120Pのスローモーションに対応したのは、2018年に発売されたベイヤー配列を搭載した廉価機のX-A5からでした。
X-A5(18/2) |
その後主流のX-H1やX-T3に搭載された事を見ると、フジフィルムは当初スローモーション動画をさほど重要視していなかったのかもしれません。
X-H1(18/3) |
X-T3(18/9) |
X-T30(19/3) |
X-Pro3(19/11) |
そして、2020年に発売されたのが動画を強く意識してバリアングルモニターを採用したX-T4とX-S10です。
X-T4(20/4) |
X-S10(20/10) |
この内でお勧めなのが、やはり最新機種であるX-S10でしょうか。
ボディー内手ブレ補正を搭載したX-S10
数字が二桁なので中級機の扱いですが、これなら軽くて尚且つボディー内手ブレ補正を搭載しています。
ただし、使い難いバリアングルモニターです。
キヤノン
続いてはキヤノンです。
キヤノンでは、2018年3月に発売されたEOS Kiss M以降、4K25Pの動画とスローモーション撮影に対応しています、と言いたい所ですが、実は前述の2社より遅れをとっているのです。
EOS Kiss M(18/3) |
と言いますのは、確かにスローモーション撮影はできるのですが、HD120Pしか対応していないのです。
そしてFHD120Pに初めて対応したのは、2019年に発売されたEOS M6 II(4K30P対応)からで、今なおこの1機種しかFHD120Pに対応していないのです。
EOS M6 II(19/9) |
すなわち、その後発売されたEOS M200や最新のEOS Kiss M2においても、依然4K25PとHD120Pにしか対応していないのです。
EOS M200(19/10) |
EOS Kiss M2(20/11) |
どうやら、FHD120Pは4K30Pの画像処理速度が必要の様ですが、キヤノンは前述の2社よりこのクラスの入門機には4K30PやFHD120Pは時期尚早と思っている様です。
となると現状FHD120Pで撮れるのはEOS M6しか無いのですが、本機はファインダーもボディー内手ブレ補正も無く、画素数は3250万画素もあります。
唯一救いは、モニターがチルト式な事でしょうか。
ニコン
しんがりはニコンです。
ニコンは従来、APS-Cサイズのミラーレスは発売していなかったのですが、2020年にフルサイズミラーレスと同じZマウントを使ったNikon Z50を発売しました。
これは4K30PとFHD120Pに対応しており、画素数は2000万画素と控え目で、且つモニターがチルト式という所が魅力的です。
ただしボディー内手ブレ補正は搭載していないものの、その分お安くなっています。
まとめ
そではまとめを兼ねて、FHD120Pに対応した本書が勝手に選ぶベスト3をご紹介したいと思います。
α6500(16/12) |
α6500(中古) |
X-S10(20/10) |
EOS M6 II(19/9) |
Nikon Z50(19/11) |
FHD120P動画が撮れる本書が選んだ各社のエントリー機
第1位:ソニーのα6500
本機は2016年発売と少々古いモデルなのですが、ボディー内手ブレ補正を搭載していて、防塵防滴のマグネシウム合金採用、EVF高精細化(236万ドット)、当時世界最速(0.05秒)最多(位相425点+コント169点)AFは魅力です。
そしてチルト式モニターを採用していて、何より中古品が6万円台なのがかなり惹かれます。
第2位:フジフィルムのX-S10
本機は今回のエントリー機の中の最新モデルで、新規開発の小型ボディー内手ブレ補正とフジフィルムの最新技術がしっかり盛り込まれています。
またソニーのα6500と同様に専用レンズも豊富に揃っており、X-Trans CMOSと呼ばれる独特のカラーフィルター配列とフィルムシミュレーションによる色味の良さでは定評があります。
ただし唯一バリアングルモニターを採用しているのと、画素数を2600万画素にまで増やした事により、後述するキヤノン機同様最大常用ISO感度は12800まで低下しているのが気になる所です。
第3位:Nikon Z50
余り取り上げられる事がありませんが、本機の最大の特徴は画素数が2000万画素である事で、常用ISO感度は51200とAPS-Cサイズ機ではトップクラスで、おまけにモニターはチルト式です。
ただし、今の所専用レンズが2本しかない所が寂しい所です。
第4位:キヤノンのEOS M6 II
ファインダーが無いとか、ボディー内手ブレ補正がないとか、専用レンズに目立つ物が無いとか色々不満はあるのですが、最も気になるのは画素数が3200万画素もある事です。
一般的なユーザーが、この3200万画素を一体何につかうのでしょうか?
このため常用ISO感度は12800と、マイクロ4/3機よりも劣るのです。
それでいて値段もソコソコする事を考えると、手を出し難い所です。
フルHDでスローモーション撮影のできるAPS-Cサイズのミラーレス一眼