売れ筋コンパクトデジタルカメラの特徴

2019/4/2: 発行

はじめに


BCNランキングに、2019年3月8日から14日のコンパクトデジタルカメラの実売台数ランキングが載っていました。

 1位 PowerShot SX620 HS ブラック(キヤノン)
 2位 COOLPIX A100 シルバー(ニコン)
 3位 IXY 200 シルバー(キヤノン)
 4位 IXY 650 シルバー(キヤノン)
 5位 PowerShot SX720 HS ブラック(キヤノン)
 6位 COOLPIX W100 ブルー(ニコン)
 7位 Cyber-shot W830 DSC-W830(ソニー)
 8位 COOLPIX A100 レッド(ニコン)
 9位 PowerShot SX620 HS ホワイト(キヤノン)
 10位 IXY 200 レッド(キヤノン)

ほんの1週間のデータなのですが、実のところ上位機種はどの集計でも大体同じ様な顔触れなのです。

どうしてこれらの機種は、何故毎回上位に顔を出すのでしょうか?

何か共通項や、特別優れている特徴があるのでしょうか?

本書なりに調べてみましたので、その結果をご報告したいと思います。


概要


上位10機種の概要を一覧にすると以下の様になります。

機種名 撮像素子 ズーム比 モニター 通信 重さ
1 PowerShot SX620 HS
(ブラック)
1/2.3型 25倍 固定 Wi-Fi
NFC
182g
2 COOLPIX A100(シルバー) 1/2.3型 5倍 固定 無し 119g
3 IXY 200 (シルバー) 1/2.3型 8倍 固定 無し 126g
4 IXY 650 (シルバー) 1/2.3型 12倍 固定 Wi-Fi
NFC
130g
5 PowerShot SX720 HS
(ブラック)
1/2.3型 40倍 固定 Wi-Fi
NFC
270g
6 COOLPIX W100
(ブルー)防水10m
1/3.1型 3倍 固定 Wi-Fi
Bluetooth
177g
7 Cyber-shot DSC-W830 1/2.3型 8倍 固定 無し 120g
8 COOLPIX A100 (レッド) 1/2.3型 5倍 固定 無し 119g
9 PowerShot SX620 HS
(ホワイト)
1/2.3型 25倍 固定 Wi-Fi
NFC
182g
10 IXY 200 (レッド) 1/2.3型 8倍 固定 無し 126g

ご覧の様に下位3機種は、上位3機種の色違いですので、これら3機種の人気の高さが分かります。

これら3機種の共通項はいずれも200g以下で、小型軽量な事が分かります。


価格


価格は常時変動するので、外観と価格は下のAmazon広告で見て頂ければと思います。

 
1. SX620 HS 
 
2. COOLPIX A100

3. IXY 200 

 
4. IXY 650 

5. SX720 HS

6. COOLPIX W100 

7. DSC-W830

 
8. COOLPIX A100 
 
9. SX620 HS 
 
10. IXY 200 

これをご覧頂ければ、売れ筋機種の傾向がかなり分かってきたのではないでしょうか。


売れ筋コンパクトカメラの傾向


それではこれらの機種の特徴を見ていきたいと思います。

低価格

先ず売れ筋コンパクトモデルの最大の特徴は、低価格機が主流という事でしょう。

特にニコンのCOOLPIX A100は、5倍ズーム搭載ながら8900円と、1万円を切る価格です。

また10機種の内、8機種は2万円を切る価格帯です。

今も昔も、やはり数が出るのは2万円を切る安い機種、と言えそうです。


小型軽量

これは少々予想外でした。

コンパクトカメラが大きくて重い訳がないのですが、それでも売れ筋のカメラは10機種中9機種が200g以下です。

またキヤノンのIXY2機種や、SONYのDSC-W830は薄型が売りですので、スマートフォンと同じ様にポケットにも入る大きさが必要なのかもしれません。

光学ズーム

コンパクトカメラに光学ズームは当たり前ですが、25倍以上の高倍率ズーム搭載機は、色違いを合わせても3機種しかありません。

それに対して、低価格で小型軽量機となるとズーム比は12倍以下(3~12倍)です。

確かに高倍率ズームを求める顧客はあるものの、それよりも低価格で小型軽量機を求める顧客の方が多いと言えます。


通信機能

これも意外でした。

今どきWi-Fi機能は必須かと思ったのですが、搭載機は半数しかありません。

Wi-Fiを必要とする方とそうではない方の2種類あるという見方もありますが、ここはあった方が良いけど、無線通信が無くても安い方が良いと思う方が半分いると見るべきではないでしょうか。


防水機能

この中で最も特徴的な機種は、何と言ってもニコンの水中カメラCOOLPIX W100でしょう。

価格は1.3万円ながら、水深10mまで潜れます。

3月に売れたという事は、卒業旅行にも使うのでしょうか。

それはともかく、安くて小型軽量で尚且つ水に強いというのがポイントではないでしょうか。


まとめ


それではまとめです。

当然と言えば当然ですが、スマホにその座を奪われたコンパクトカメラの生き残る道は、とにかく安くて小型軽量なのが最優先で、できれば高倍率の光学ズームと通信機能と防水機能があれば良いと言った感じではないでしょうか。

となると、一通りの機能を備えた薄型のIXY650に防水機能が加わって、それがもし2万円以下であればかなり人気が出るのは間違いありません。


沈胴式レンズを搭載したIXY 650

撮像素子 ズーム比 モニター 通信 重さ 価格
1/2.3型 12倍 固定 Wi-Fi
NFC
130g 1.6万円
IXY 650の基本スペック

ところがここに、大きな問題があります。

それは沈胴式レンズの場合、防水対応が非常に難しい事です。

その理由は、カメラの筐体を完全密封すると機内と外部の圧力の関係で、レンズを伸ばしたり縮めたりする事ができなくなるからです。

もしそれを技術的に克服できたら、かなり画期的な事と言えそうですが、現実的にはかなり難しそうです。




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