フルサイズ機が高画質の大いなる誤解

2020/04/13:発行
2021/01/14:改定

目次


  1. はじめに
  2. フルサイズの優位性
  3. 1画素の大きさ比較
  4. フルサイズと小サイズの画質の差
  5. 受光量13倍の差はどこへ行ったのか
  6. 解像度の差
  7. 感度
  8. 被写界深度を同じにすると感度が逆転する
  9. 被写界深度を同じにしたらどうなるか?
  10. ではフルサイズの魅力は一体何なのか?
  11. まとめ

はじめに


思い切ってフルサイズのカメラに買い替え様と思っている貴方。

どのフルサイズ機にするかカタログを眺めながら悩んでいる時が、一番楽しい時かもしれません。


α7III

Nikon Z6

EOS R

Lumix S1

Pentax K1 II

ですが、ちょっとお待ちください。

もしかしてその理由は、現在お持ちのカメラより高画質になるから、もっと綺麗な写真が撮れる様になるから、と思われていないでしょうか。

具体的には、今より高感度で、ダイナミックレンジが広くなり、諧調性も良くなり、更には解像度も高くなるのだから、誰が見ても間違いなく1クラス上の写真が撮れると思われているのではないでしょうか。

もしそうだとしますと、(水を差す様で甚だ恐縮ですが)それは大きな間違いです。

購入された後に、恐らくこんなはずでは無かったと、間違いなく後悔される事になると思います。

その理由は何か、実写を交えて分かり易くご説明したいと思いますので、是非最後までお付き合い頂ければ幸いです。


フルサイズ機の優位性


それでは先ず、フルサイズの優位性からお話したいと思います。

となると。当然ながら撮像素子が大きい事から、光を取り込む量が大きい事でしょう。

実際下のチャートをご覧いただきます様に、フルサイズの撮像素子は他と比べてこんなに大きいのですから、撮った画像が悪いはずがありません。


ただしこれはあくまでも、撮像素子の大きさの比較であり、カメラによって画素数(解像度)が異なりますので、本来でしたら1画素(1ピクセル)の大きさを比較しなければなりません。


 1画素の大きさ比較


そんな訳で、今度は1画素の大きさを比較してみます。

1画素の大きさは、撮像素子の大きさを画素数で割ってやれば求められます。

それをグラフ化したのが、下のチャートです。


撮像素子毎の1画素の面積(グラフ横の数値は1/2.3型との比較)

このチャートをご覧頂きます様に、フルサイズ機で一般的な2400万画素の1画素の大きさは、コンパクトカメラやスマホで一般的な1/2.3型(1200万画素)の撮像素子と比べて、15倍も大きいのです。


1200万画素のコンデジ(左)と2400万画素のフルサイズ機(右)の1画素の大きさ

という事は、同じ露出設定で写真を撮ると、フルサイズ機はコンデジより15倍も多くの光を一瞬のうちに取り込む事ができるという訳です。

すなわち、フルサイズにおける光のデータ量は、コンデジより15倍も多くなり、感度もダイナミックレンジも諧調性も、コンデジより15倍も良いという事になります。

ちなみにこの15倍を段数(EV値)で表すと、3.9段になります。(EV値についてはこちら

それでは、その15倍(3.9段)の差とは、画像にするとどれくらいの差なのでしょうか?

誰もが期待する程の、明らかな差があるのでしょうか?


フルサイズと小サイズの画質の差


それでは早速、コンデジとフルサイズ機で撮り比べしてみましょう。

生憎手元に2400万画素のフルサイズ機が無いので、代わりに2600万画素のフルサイズ機と、1200万画素のコンデジで撮り比べてみます。


オリンパスのTG-820(左)とキヤノンのESO RP+RF24-105mm F4(右)

もう少し詳しくお伝えしておきますと、フルサイズ機はキヤノンのミラーレス一眼である2600万画素のEOS RPとRF24-105mm F4レンズの組み合わせで、コンデジは一昔前(2012年発売)のオリンパスTG-820という1200万画素の防水カメラです。

この場合、1画素の光量は13倍(3.8段)異なりますので、画質も13倍フルサイズ機の方が良くなる筈です。

そう期待して撮った写真が以下になります。


写真1:コンデジとフルサイズ機で撮り比べた写真(トリミング無し)

この場合、両機とも露出設定を同じにしているのですが、この2枚を見比べて画質の差を感じる方はいらっしゃらないでしょう。

違いと言えば、縦横比の違い(コンデジは4:3で、フルサイズは3:2)と、コンデジの方が撮像素子が小さい分レンズの焦点距離が短い(広角な)ので、被写界深度が深くて全体がクッキリして見える事ぐらいでしょうか。

画像が小さいから差が分からないと思われる方のために、拡大した画像もお見せしましょう。


写真2:コンデジとフルサイズ機で撮り比べた写真(中央部の拡大)

いかがでしょうか?

フルサイズ機の方が色味が濃い様な気がしますが、これはむしろ画処理の差で、フルサイズ機の方が画質が良いと断言するのはかなり難しいでしょう。

これが正に現実なのです。

すなわち、1画素の光量が13倍(3.8段)も異なっても、撮った写真にはそれほどの大きな差はないのです。

もっと言えば1台数万円の昔のコンデジと、一式数十万円の最新のフルサイズ機で撮り比べても、画質の差は殆ど無いのです。

実際スマホとフルサイズ機で撮った写真を見比べても、差が分かる方は殆どいらっしゃない事でしょう。


受光量13倍の差はどこへ行ったのか


もしそうだとすると、変だと思われないでしょうか。

何しろ、(値段はともかく)1画素の受光量は13倍も異なるのですから、どこかにもっと画質の差があっても良い筈です。

にも関わらず、何故違いが分からないのでしょうか?

その理由は簡単で、現状13倍向上した画質を見る術(すべ)が無いからなのです。

もっと分かり易く言いますと、13倍向上した画質を見る出力機器がないのです。

それをこれから詳しく解説していきたいと思います。

ダイナミックレンジ

先ず一つ目が、ダイナミックレンジです。

カメラのダイナミックレンジとは、1回の露光で写せる光(明るさ)の範囲と思って頂ければ良いと思います。

ですので、1画素が大きくなればなるほど少ない光を信号として検知できますので、ダイナミックレンジは広くなります。

ちなみに単純計算ですが、1画素(受光量)が13倍大きくなれば、ダイナミックレンジは22dBも改善されます。(デシベルの計算方法はこちら

そして、下が一般的なカメラのダイナミックレンジと、その出力となるプリントした写真、それにモニターのダイナミックレンジの関係を示したチャートです。


これをご覧頂きます様に、一般的なカメラのダイナミックレンジは70dBほどあるのに対して、紙の写真は25dBほど、更に裏面から発光するモニターでさえダイナミックレンジは40dBほどしかないのです。(詳細はこちら

ですので、折角大きな撮像素子になってダイナミックレンジが増えても、プリントしたり、モニターに表示する限り、ダイナミックレンジの大半は使われないで捨てられてしまうのです。

すなわち、せっかく大きな撮像素子のカメラで撮っても、紙の写真やモニターで見る限り、ダイナミックレンジの違いは全く認識できないのです。

強いてダイナミックレンジが広くなるメリットを上げれば、RAWファイルの現像で露出の調整幅が広くなるくらいです。

それでもフルサイズ機を買いますか?


諧調性

次は諧調性です。

諧調性とは、濃度変化の滑らかさの事だと思って頂ければ良いと思います。


諧調性が高いほど濃度変化が滑らかになる

この諧調性ですが、代表的な画像ファイルであるJPEGに変換する段階で、前記しましたモニター用に抜き出したダイナミックレンジを赤青緑の色毎に256諧調(8ビット)に変換するだけですので、これまた1画素の光量が増えた所で殆ど変化は無いのです。

早い話が、大きな撮像素子のカメラを買っても、紙の写真やモニターで見る限り、諧調性の差は殆ど認識できないのです。

それでもフルサイズ機を買いますか?


解像度の差


そうは言っても、解像度は違うだろう、と言われる方もいらっしゃる事でしょう。

その通りです。

確かに先ほどお見せした写真でしたら、片や1200万画素で片や2600万画素ですので、2倍以上解像度が違います。

ですので、先ほどの2枚の写真を4Kモニター等の高解像度モニターで見比べれば、当然2倍以上精細性が異なります。


高解像度のモニターで見ると間違いなく画像が綺麗に見える

と言いたい所ですが、それも大きな誤解です。

実は、4Kモニターで1200万画素と2600万画素の画像を見比べても、全く差は無いのです。

ウソだろ、と思われるかもしれませんが、それが事実なのです。

下はカメラの画素数とモニターの解像度の関係を表したチャートです。

プリント(解像度)      カメラ(画素数)    モニター(解像度)

カメラの画素数とプリンターとモニターの解像度の関係

これをご覧頂きます様に、4Kモニターが再現できるのは、最大で829万画素までですので、それ以上の画素数の写真をモニターに映しても余った分は間引かれる(捨てられる)だけで、同じ829万画素の画像でしか見れないのです。(詳細はこちら

すなわち1200万画素の画像も2600万画素の画像も、4Kモニターで見ると同じ画像になってしまうのです。

当然ながら現在主流の2K(ハイビジョン)モニターで見ても、同じに見えます。

確かに高画素ですとトリミングしたり、大判のプリントする場合有利なのですが、頻繁にトリミングする事もなく、ましてやA3以上にプリントした事もなければ、高画素はただただ無用の長物と言えます。

ついでに言えば、コンデジの様に口径の小さなレンズほど、光学的な解像度が高いのは間違いありません。


コンデジの方がレンズが小さい分解像度は高い

これはレンズを開放で撮るより、多少絞った方が解像度が良くなる事からも分かって頂けると思います。

ですので、同じ絞り値であれば、コンデジの方がフルサイズ機より光学性能は高いので、むしろコンデジの方が高精細に見える可能性すらあるのです。

それでもフルサイズ機を買いますか?


感度


ここまで読んで頂ければ、もうフルサイズ機への憧れはかなり失せてきたのではないでしょうか?

という訳で、そろそろフルサイズの間違いなく認識できるメリットをお伝えしたいと思います。

もしかしたらお待ちかねかもしれませんが、それは感度です。

先程の比較写真は両機ともISO100で撮っていましたが、今度はISO6400で撮ってみたいと思います。

それで撮ったのが以下の写真です。


写真3:コンデジとフルサイズ機のISO6400の写真(トリミング無し)

これくらいですと良く分からないので、また先ほどと同様に拡大してみます。


写真4:コンデジとフルサイズ機のISO6400の写真(中央部の拡大)

これをご覧頂きます様に、コンデジの方はは明らかに画像が破綻(S/N比が大幅に悪化)していますが、フルサイズ機の方は何とか踏ん張っています。

すなわち、感度に関しては明らかにフルサイズの方が優れているという事です。

ではコンデジよりどれくらい高感度かと言えば、先ほどから何度も言っています様に13倍(3.8段)も高感度だという事です。

またもっと分かり易くお伝えすると、コンデジがISO100で撮るのと同じ画質を、フルサイズ機はISO1300で撮れるという事を表しています。

ですので、フルサイズ機はコンデジより3.8段暗い所でも、同じ画質の写真が撮れる様になるのです。

やっとフルサイズの画像で見て分かるメリットが出てきました。

ただし3.8段暗い所でも、コンデジと全く同じ写真が撮れるかと言えば、そうではありません。

と、気になる一言をお伝えして、次に続きます。


被写界深度を同じにすると感度が逆転する


さて、やっとフルサイズのメリットをお伝えできた所で恐縮ですが、またまたフルサイズファンをがっかりさせる事をお伝えしなければなりません。

先ずは、本書の初めにお見せした同じ露出設定で撮った比較写真を、もう一度見て頂けますでしょうか。


写真2:コンデジとフルサイズ機で撮った写真(中央部の拡大)

これをご覧頂けます様に、コンデジの方は背景の金網がくっきり写っているのに対して、フルサイズ機の方はしっかりボケています。

という事は、露出設定は確かに同じものの、撮られた写真は異なっている、と言えない事もありません。

もし2枚の写真の画質を正確に比較するのでしたら、背景のボケも同じにして比較するべきではないでしょうか。

そのためにはどうするかと言えば、コンデジの背景をボカスか、フルサイズ機の背景をクッキリさせれば良いのですが、コンデジの背景をボカスのは難しいので、フルサイズ機の絞りを4.9段絞って被写界深度をコンデジ並みに深くしてみます。


内容を分かり易くするため、本青枠内は割愛します。
2021/01/24

試しに既にお見せしたフルサイズ機のISO6400の写真は絞りF11なので、コンデジのISO100で絞りF4の写真の横に並べてみます。


写真5:1/2.3型のF4とフルサイズのF11で撮った写真(中央部の拡大)

これをご覧頂きます様に、フルサイズ機の方はF11に絞ってもまだ金網はボケています。

フルサイズ機の絞りをどんどん絞って写真を見比べるのも面倒なので、手っ取り早く計算で1/2.3型のさつを搭載したコンデジと被写界深度が同じになる絞り値を求めると、下の表にある様に更に4.9段絞らなければなりません。

サイズ FULL APS-C APS-C
(Canon)
4/3 1型 1/1.7型 1/2.3型
段数 0 1.2 1.4 2.0 2.9 4.4 4.9
フルサイズを基準とした同じ被写界深度となる絞りの段数

すなわち、フルサイズ機をF22まで絞らなければ、コンデジのF4と同じ被写界深度にならないのです。

ところで勘の良い方でしたら、4.9段と聞いてピンきたのではないでしょうか。

そうなのです。

先ほど2600万画素のフルサイズの感度のアドバンテージは、3.8段だとお伝えしました。

すなわちフルサイズ機をコンデジより更に3.8段絞ると、1画素の受光量はコンデジと同じになり、理論上画質は同じになりますが、被写界深度をコンデジと同じするとなると更に1.1段絞る必要があるのです。

という事は、コンデジより1.1段分画質が劣る事になるのです。

話が長くなったのでまとめますと、同じ被写体を1200万画素のコンデジと同じ被写界深度で撮る場合、2600万画素のフルサイズ機は絞りをコンデジより4.9段更に絞る必要がある。

そうなるとシャッタースピードが同じであればISO感度を4.9段上げる必要があり、そうなると画質はコンデジより1.1段分劣る事になる、という訳です。

前段で、”3.8段暗い所でも、コンデジと全く同じ写真が撮れるかと言えば、そうではありません”と、気になる事を言ったのはこういう理由からです。

すなわち、2600万画素のフルサイズ機は3.8段暗い所でも1200万画素のコンデジと同じ画質の写真が撮れるものの、その撮った写真の被写界深度はコンデジより絞り1.1段も浅いのです。

そしてもしフルサイズ機をコンデジと同じ被写界深度にすると、コンデジより画質が1.1段劣る事になる、という訳です。

少々ややこしい話で恐縮ですが、ご理解頂けましたでしょうか。


被写界深度を同じにしたらどうなるか?


今までは、写真の比較は以上で終了だったのですが、今回新たに追加の写真を撮りましたので、ここでご紹介したいと思います。

それは、前段でお伝えした”フルサイズ機をコンデジと同じ被写界深度にすると、コンデジより画質が1.1段劣る”という写真です。

今回は両者の差をなるべく分かり易くするために、少し暗めの環境で、ISO感度を上げ気味にして撮ってみました。


被写界深度を同じにしたらどうなるか?

2020/4/19:追記

そう思って撮った写真が以下になります。


写真6:被写界深度を同じにして撮った写真(中央部の拡大)

この露出設定をご覧頂きます様に、コンデジの絞りがF4なのに対して、フルサイズ機の方は絞りを4.9段絞ってF22にした事により、奥側の金網がコンデジと同じ様にクッキリ写っています。

ただし絞りを4.9段絞った事により、ISO感度をコンデジのISO800に対して5段上げてISO25600にしています。

この2枚の写真を見比べてみると、色味の関係でフルサイズ機の方が若干綺麗に見えますが、両方とも画質が劣化(S/N比が悪化)しているのが分かります。

計算上では、コンデジよりフルサイズ機の方が1画素の光量が1.1段少ない(画質が劣る)筈なのですが、写真2でも確認しました様に、1画素の光量が13倍(3.8段)異なっても画質に大きな差がなかった事を考えれば、妥当な結果ではないでしょうか。

いずれにしても、フルサイズ機の方が感度が高いと言っても、コンデジと被写界深度を同じにしてしまえば、似た様な画質になるというのは、これでご納得頂けたのではないでしょうか?


ではフルサイズの魅力は一体何なのか?


長くなってしまいましたが、いよいよ大詰めです。

数十万円もするフルサイズ機ですが、色々調べていくと、コンデジやスマホに画質に勝るのではなく、むしろ劣ると言えなくもない状況ではないでしょうか。

実際市場でのカメラの売り上げを見ると、それを裏付けている様な気がします。


落ち続けるカメラの販売台数

という訳で、いよいよフルサイズたった一つのメリットをお知らせしましょう。

それは、(画質とは関係ないのですが)被写界深度が浅いという事です。

すなわち、小さな撮像素子を搭載したカメラと同じ露出設定であれば、フルサイズ機が最も背景をボカス事ができるのです。

そう言うと、コンデジでもいざとなればフルサイズ並みのボケを作る事がえきると思われるかもしれませんが、下のボケ量のチャートにあります様に、現実的にはそれはほぼ不可能なのです。(詳細はこちら


フルサイズ機(上段)と小サイズ機(下段)のレンズ別ボケ量の比較

ちなみに本記事で使ったコンデジをフルサイズ機のF4並みの浅い被写界深度にするには、F0.7という見たこともない様な明るいレンズを使わなければないりません。

ただしボケ易いという事は、それだけピンボケが発生し易いという事で、むしろ短所というべきものかもしれません。

何しろ、画像処理ソフトを使えば、ピントの合った画像をボケた画像に加工するのは簡単にできるのに対して、ボケた画像は決してピントの合った画像に加工できないからです。

という訳で、もしボケがそれほど必要ではない、風景写真やスポーツ写真でしたら、(A2サイズ以上にプリントしない限り)フルサイズ機など全くもって必要ないと言えます。

もっと言わせて頂けるのならば、フルサイズ機に換えると、今までよりブレやピンボケが多くなるなるだけで良い事は何もない、という訳です。

また(余計なお世話なのですが)もし既にフルサイズ機をお持ちの方で、ボケ用の明るい単焦点レンズをお持ちでなければ、思い切って小サイズの撮像素子を搭載したカメラにダウンサイジングされる事を強くお勧めします。

そうすれば、機材のコストもスペースも重量も削減できますし、さらに同じ露出設定でも被写界深度が深くなる分、ISO感度を抑えたり、シャッタースピードを速くしたりと、失敗写真の発生確率を大幅に軽減できるのです。

さらに、望遠レンズやファインダー、ストロボといった機能が不要であれば、間違いなくコンデジよりスマホの方が優れていると言えます。


まとめ


まとめです。

①フルサイズ機が高画質だと言うのは、大いなる誤解である。

②確かにダイナミックレンジが広くなるが、写真にプリントしたり、モニターで見る限り、ダイナミックレンジの一部を抜き取るだけなので、出力された画像はコンデジと同じである。

②また諧調性においても、同様の理由により、コンデジとの差は殆ど認識できない。

③解像度についても、4Kモニターで見る限りコンデジと全く差はない。

むしろコンデジの方がレンズの解像度が高い分、高精細に見えるかもしれない。

④感度については、明らかにフルサイズ機が有利であるが、被写界深度をコンデジと同じにすると、(画素数がコンデジよりも多い場合)コンデジより画質が低下する事になる。

⑤フルサイズ機におけるコンデジに対する唯一無二の魅力は、(画質とは関係ないが)コンデジより被写界深度が浅くて、背景をボカス事ができる事である。

⑥ただし被写界深度が浅いという事は、ピンボケが起き易いという事であり、その観点からすればこれも短所と捕えるべきかもしれない。


⑦もし背景を思いっきりボカスのでなければ、フルサイズ機は止めて、せいぜいAPS-Cサイズ機やマイクロ4/3機に留めておくべきである。

というのが本書の結論ですが、いかがでしょうか。




フルサイズ機が高画質の大いなる誤解





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