カメラのダイナミックレンジ
(RAWファイルの本当のメリットとは?)
Feb. 2016:Release
目次
5) 写真のダイナミックレンジ
カメラのダイナミックレンジが分かった所で、今度は一般的な紙にプリントされた写真のダイナミックレンジについてお話ししなければなりません。
このカメラのダイナミックレンジと写真のダイナミックレンジをごちゃ混ぜにしてしまうから、訳の分からない記事が増えていくのです。
それでは、写真のダイナミックレンジをいつものチャートに載せてみます。
これを見て、驚かれた方が多いのではないでしょうか?
そうなのです。
写真のダイナミックレンジは25dB(4.2EV)ほどしかなく、カメラのダイナミックレンジである70dB(4.2EV)より、更に狭いのです。
その理由は説明不要でしょう。
写真と言えども所詮は紙ですので、一番明るいのは紙が真っ白な状態で、一番暗いのはプリントされて真っ黒になった状態でしかありませんので、どうやってもカメラのダイナミックレンジに勝てる筈がありません。
このため、折角カメラで撮った画像も、写真にした時点で更に狭いダイナミックレンジになってしまうのです。
ですので、紙にプリントされた写真を見ながらカメラのダイナミックレンジを語るのは、全く以ってナンセンスな事なのです。
さあ、これで貴方はダイナミックレンジの70%を理解しまた。
残り30%はこの応用で、カメラのダイナミックレンジである70dBのどこの領域を抜き出してプリントするとどんな画像になるかを、お伝えしたいと思います。
この30%が分かると、カメラの本当の能力を使いこなせる様になります。