カメラのダイナミックレンジ
(RAWファイルの本当のメリットとは?)
Feb. 2016:Release
目次
16) ラチチュード(許容範囲)の値
さて、絞り値とデシベルの関係が分かった所で、以前予告しておりましたラチチュードについて、ここでもう少し具体的にご説明したいと思います。
この話は、絞り値でご説明した方が分かり易いと思い、いつもの図に紫で絞り値を追加しました。
この図を見て、何が言いたいか薄々気が付いて頂けますでしょうか?
以前お伝えしました様に、ラチチュードとは適正露出から外れても許容できる光の範囲です。
上図の場合、カメラのダイナミックレンジは70dBで、モニターのダイナミックレンジが40dBですので、差し引き30dBの余裕があります。
という事は、明部側と暗部側にそれぞれ15dBの余裕がある事になります。
すなわち、うっかり露出を間違えたとしても、カメラで撮った画像には上下に15dB分の余裕があるデータがあるので、RAWファイルを現像する事によって15dB分は十分補正できるという事です。
この15dBを絞り値で言うと、±2.5絞りです。
これが取りも直さずそのカメラの許容範囲の事で、このカメラのラチチュードは±2.5絞りという訳です。
またもし別のカメラのダイナミックレンジがもっと広い75dBだとしますと、両端に17.5dBずつの余裕がありますので、ラチチュードは±3絞り分あるという訳です。
数値で抑えれば、すっきり説明ができます。