はじめに
さそり座と天の川 at 6月中旬 on 渡嘉敷島(F4.0 30秒 ISO3200 15mm)
小型軽量のNikon D5500 星空撮影の準備
1: カメラ
Nikon D5600 Nikon D3400 Nikon D500 Nikon D7200 Nikon D5500 Nikon D5300 Nikon D3300 Nikon D7100 Nikon D3200
2: レンズ18-55mm等の標準ズームレンズは既にカメラに装着されていると思いますが、星空撮影ではどちらかと言えば広角レンズの方が、星や周囲の木々がたくさん写って印象的な写真に仕上がります。 DX 10-24mm DX 12-24mm DX 16-80mm DX 16-85mm DX 10.5mm (15-36mm) (18-36mm) (24-120mm) (24-128mm) (16mm) 上のニコン純正レンズ群の中でお勧めなのは、広角系ながらズーム比5.3倍で旅行でも使えて、尚且つ手振れ補正付きで、中古がお安い16-85mm F3.5-5.6G ED VRでしょうか。 なおレンズの名称の中にVR(Vibration Reduction)と付いていたら、手振れ補正機能の付いたレンズの事です。 後述しますが、このレンズを使って三脚撮影する場合は、手振れ補正機能をOFFにした方が安定した撮影が可能になります。 なおニコンのデジタル一眼レフの場合、レンズメーカーから比較的値段の安い互換レンズが色々発売されていますので、それらを狙ってみるのも良いかもしれません。 8-16mm 10-20mm 10-24mm 12-28mm 10mm (12-24mm) (15-30mm) (15-36mm) (18-42mm) (15mm) 上のレンズ群の中では、タムロンのSP AF10-24mm F3.5-4.5 DiII当たりが超広角ズームレンズながら安いのが魅力です。 なお光量の少ない夜間撮影の方が、レンズの曇り汚れ、或いは周辺の明かりの影響を受け易いので、事前にレンズ表面の清掃や、フード(もしあれば)の準備もしておきましょう。 3: 三脚普通の記念撮影でしたらカメラをテーブルの上に置けば良いのですが、斜め上を撮るにはどうしても三脚が必要になります。 ただし地面に置いて、上を向かせるだけですので、小型の物で十分なのですが、余りに低いとモニターが見えないので、前述の様に鏡を準備した方が良いかもしれません。 4: 予備の電池ご存じかもしれませんが、昼間の撮影より夜間の撮影の方が断然電気を多く消費します。 その理由は、少ない光量を電気を一杯使って増幅するからです。 おまけにその状態を長時間続けますので、電池がどんどん消耗する事になります。 このため、星空撮影には予備の電池を用意するか、もし手持ちの電池が1個しかなければ、事前にフル充電しておく事をお勧めします。 5: リモコンその他として、シャッターを押した際の振動を防ぐためのリモコンもあります。 ですが、無い場合に備えてここでは後述の2秒タイマーを使います。 カメラの事前設定
1: 長秒時露光のノイズ低減の解除夜間の長時間露光においては、長秒時露光のノイズ低減の設定を行うべきなのですが、先ずはそれを解除します。 その理由は、撮影時間が非常に長くなるからです。 そもそも長秒時露光のノイズ低減とは、長時間撮影時の画像の中には電気的な余分なノイズが入っているので、被写体撮影後に真っ黒の画像を同じ時間だけ撮影して、そのノイズ分を被写体撮影時の画像から差し引いてやろうというものです。 ノイズリダクション無し ノイズリダクション有り ですから、もし30秒間の露光を行うと、同じく30秒間の真っ黒画像の撮影が行われますので、トータルで1分間何もできなくなってしまいます。 本番撮影ならしかたがないのですが、先ずはピントや露出や構図の確認をしなければいけない時に、この余分な30秒は甚だ無駄です。 さらに30秒も真っ黒画像を撮影しますので、電池もその分多く消耗します。 という訳で、本番撮影前は長秒時露光のノイズ低減は以下の手順でOFFにしておきます。 ①メニューボタンを押してメニューを表示します。 ②撮影メニューの中にある長秒時ノイズ低減を選び▶ボタンを押す。 ③表示されたメニューの中からOFFを選択する。 ④OKボタンを押して終了する。 これで長秒時露光のノイズ低減はOFFに設定されました。 露出や構図等が決まって本番の撮影時には、この設定をONにして下さい。 2: 2秒タイマーのセット前記しました様に、シャッターを押した際の振動を防ぐため、以下の手順で2秒タイマーをセットします。 ①レリーズモードボタンを押してレリーズモード選択画面を表示する。 ②表示されたメニューから、10sセルフタイマーを選択する。 ④OKボタンを押して決定する。 ホワイトバランスの設定ホワイトバランスは恐らくデフォルトのままでしたらオートになっていると思いますので、そのままで構いません。 ただし実際星空を撮ると、赤みを掛けたかったり、逆にもっと青みを掛けたくなったりします。 その時に備えて、ホワイトバランスの調整方法も事前に確認しておきましょう。 ①本体背面のiボタンを押す。 ②2番目のタブの中にある”ホワイトバランス”が、AUTOになっている事を確認する。 ④OKボタンを2回押して押して終了する。 なおもし色味を変えたい場合は、手順②のメニューからホワイトバランスの設定を変更します。 3: 手振れ補正機能の解除三脚を使って撮影する場合、手振れ補正機能は却ってブレの原因になりかねません。 このため手振れ補正機能の付いたレンズ(レンズ名にVRと付いているもの)を付けている場合は、以下の手順で手振れ補正機能をOFFにします。 もし使用するレンズに手振れ補正機能がなければ、次に進んで下さい。 ①レンズに付いているVRスイッチをOFFにセットする。 星空撮影時はVRスイッチをOFFにする これで手ブレ補正はOFFになりましたが、昼間の撮影の前に必ずONにしておきましょう。 5: マニュアル露出設定次は、マニュアル露出の設定です。 カメラの性能は非常に良くなってきており、今では殆どの場面は自動露出で撮れる様になってきました。 ですが、さすがに星空は光量が少なくて自動露出ではうまく撮れ切れません。 このため、以下の手順でマニュアル露出にして、絞りをF4、シャッタースピードを30秒にセットします。 ①撮影モードダイヤルを回して、M(マニュアル)にセットする。 ②コマンドダイヤルを回して、シャッタースピードを30秒にセットする。 シャッター速度設定方法 ③本体上面にある露出補正/絞りボタンを押しながらコマンドダイヤルを回して、絞りをF4にセットする。 絞り設定方法 ④電源を切って終了する。 4: マニュアルフォーカスの設定次はいよいよ、マニュアルフォーカスの設定です。 一昔前のカメラでしたら、レンズにピントリングが付いていたので、簡単に無限遠(∞)に固定できたのですが、今はAF(オートフォーカス)が主流のため以下の手順が必要です。 ①本体背面のiボタンを押す。 ②フォーカスモードを選んでOKボタンを押す。 ③メニューからMF(マニュアルフォーカス)を選択する。 ④OKボタンを押して確定する。 ⑤遠くの街灯や建物にピントが合う様にフォーカスリングを回してピントを合わせる。 ⑥もし暗くてピントが合わせにくい場合、ライブビュー撮影ボタンを押して液晶モニターを見ながらピント合わせを行う。 ⑦電源を切って終了する。 なお今回は前準備の設定ですので、撮影現場に着いたら再度遠くの明るい物にカメラを向けてピント調整を行ないます。 6: ISO感度の設定ISO感度とは、以前主流でしたフィルムの感度に当たります。 この数字が大きければ大きいほど、小さな光でも写す事ができますが、余りに大きくするとその弊害として画像に電気的なノイズが乗って、ざらついた画像になります。 ですので何事もほどほどが肝要です。 星空の場合、以下の手順でISO感度を3200に設定します。 ①本体背面のiボタンを押す。 ②ISO感度を選んでOKボタンを押す。 ③タッチパネルを操作してISO感度を3200を選択する。 ④OKボタンを押して設定を完了する。 8: レンズの清掃カメラのセッティングが終了したら、最後にレンズの清掃をしておきましょう。 夜間の撮影は昼間の撮影以上に外乱の光が写真に影響してしまいます。 うっかりレンズに指紋でも付いていると明らかにコントラストが低下しますので、しっかり清掃しておきます。 またもし完璧を望まれるのでしたら、フィルターも外しておいた方が良いかもしれません。 9: 動作確認設定が完了したら、最後に動作確認を行います。 ①どこか暗めの所にカメラを向けてシャッターを切ります。 ②シャッターを押して10秒後にシャッターが開いて、30秒後にシャッターが閉じて真っ白な画像(もしくは薄らと何か写っている画像)がモニターに表示されれば、設定OKです。 星空撮影
F4.0 F4.0 F4.0 15秒 30秒 30秒 ISO3200 ISO3200 ISO6400
WB: オート WB:太陽光 WB:蛍光灯(昼白色)
星空撮影モード解除
⑥ISO感度を”オート”に変更する。 なお設定変更の詳細手順については、上段の手順書を参考に願います。
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