EOS RPの価値
2021/02/14:発行
はじめに
EOS Rシリーズの最廉価版であるEOS RP。
世界最軽量のEOS RP
今までその存在すらご存知ない方も多いかもしれませんが、これが結構優れ物なのです。
その理由は、ファインダー付きで世界最軽量というのもあるのですが、それ以上にフルサイズ機でありながらたったの12万円で買える事です。
そんな訳で、今回はこの目立たないEOS RPの話をしてみたいと思います。
価格破壊
安い安いと言われてもなかなかピンとこないと思いますので、他のミラーレスカメラと値段を比べてみたいと思います。
Nikon Z 50 (2000万画素) |
EOS M6 II (3200万画素) |
EOS Kiss M2 (2400万画素) |
α6400 (2400万画素) |
X-S10
(2600万画素) |
と言いながら、上をご覧頂きます様にEOS RPは他機種より少々お高いではありませんか。
それもその筈です、上は全てAPS-Cサイズ機なのです。
そしてEOS Kiss M2以外は、APS-Cサイズ機における中級クラスになります。
APS-Cサイズの中級機に近い価格でフルサイズ機が買えるのですから、EOS RPがいかに安いかという事をかなりご理解頂けたのではないでしょうか。
今まではフルサイズ機と言えば20万円以上が相場だった事を考えると、価格破壊マシンと言っても良いかもしれません。
特に自社のファインダーの無いEOS M6 IIと同じ価格帯である事を考えると、誰がどうみてもEOS RPを選んだ方が良い様に思ってしまいます。
念のため、各社のフルサイズ機の普及クラスと比べると以下の様になります。
SONY α7 III (2400万画素) |
SONY α7C (2400万画素) |
Nikon Z5 (2400万画素) |
Lumix S5 (2400万画素) 本体のみ24万円 |
SIGMA fp (2600万画素) |
ご覧の通り、EOS RPが断トツに安い事を十分ご理解頂けたと思います。
それでいてキヤノンの最新のRFレンズが全て使えるのですから、かなり魅力的ではないでしょうか。
余り現実的ではありませんが、この値段であの超ド級のRF 28-70mm F2 L USMでさえ使えるAF性能とフランジ強度を確保しているのですから大したものです。
大口径ズームレンズのRF 28-70mm F2 L USM
キヤノンがフランジバックの長さを20mmにした理由を強度を確保するためだと述べていますが、まさにモールド構造のEOS RPを念頭に入れての事だったのでしょう。
小型化軽量化にこだわったソニーのα7C(フランジバック18mm)が金属ボデイーを採用したのは、レンズマウント部の強度を確保できなかった事も一因なのかもしれません。
金属ボデイーを採用したSONY α7C
そう言えば、初代α7シリーズのレンズマウント部を指で押すとベコベコしていたのを思い出されます。
お勧めのレンズ
レンズに関して現実的な話をさせて頂くと、普通使いでしたらEOS RPには下にありますRF24-105mm F4-7.1やRF24-240mm F4-6.3の様な普及クラスのズームレンズを使うのが一般的なのでしょう。
RF24-105mm F4-7.1 IS STM |
RF24-240mm F4-6.3 IS USM |
ですが幣サイトとしては、折角のフルサイズ機なのですから、ここは下にある単焦点レンズを使う事を強くお勧めしたいと思います。
RF35mm F1.8 MACRO IS STM |
RF50mm F1.8 STM |
RF85mm F2 MACRO IS STM |
なぜならば、フルサイズ機の最大の魅力は、小サイズ機に対してボケを表現できる事だからです。
ちなみに、もしAPS-Cサイズ機でフルサイズ機と同じ画角とボケを表現するとなると、フルサイズのレンズの焦点距離と絞り値を1.5で割れば求められます。
例えば、APS-Cサイズ機でフルサイズの35mm F1.8と同じ画角とボケを表現するとなると23mm F1.2のレンズ、50mm F1.8ですと35mm F1.2のレンズ、85mm F2ですと56mm F1.4が必要になります。
当然そんなレンズは、APS-Cサイズの方が安いと思われる事でしょう。
ところが下にあります様に、何とフルサイズ並みの明るい単焦点レンズを手に入れようとすると、APS-Cサイズのレンズの方が高いという逆転現象が起きるのです。
XF23mmF1.4 R (35mm F2相当) |
XF35mmF1.4 R (50mm F2相当) |
XF56mmF1.2 R (85mm F1.8相当) |
一方フルサイズの標準ズームレンズである24-105mm F4-7.1は、APS-Cサイズの16-70mm F2.8-4.5と同じ画角とボケ量になりますので、これでしたらむしろ下のAPS-Cサイズのレンズと共にAPS-Cサイズ機を買った方が遥かにお得になります。
Fujifilm XF16-80mmF4 R OIS WR (24-120mm F6) |
SONY E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS (24-75mm F5.2-8.4) |
NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR (24-75mm F5.2-9.5) |
まとめ
そんな訳で、もし明るい単焦点レンズを使ってボケを楽しみたいのであればEOS RP、暗めのズームレンズを常用するのであればAPS-Cサイズ機の方がお勧めと言えます。
これで少しはEOS RPに興味を持って頂けましたでしょうか。
おっと最後にもう一つ。
EOS RPには黒とオリンピックを意識したゴールドモデルがありますが、ゴールドモデルは外装がプラスチック感に溢れていますので、もし購入されるのでしたら黒モデルにした方が無難かもしれません。