何と純正品よりも優れていた
中華コマンダーGODOX Xpro-Sの衝撃
2018/2:発行
はじめに
ついに買ってしまいました。
SONY用のGODOX電波式コマンダー、X Pro S。
GODOXの電波式コマンダー(XPro-S)
いくら安いと言っても、しょせん純正品の性能や品質に叶う訳がないと高を括(くく)っていたのと、技適マークが付いていない不法電波発信装置を日本で使う訳にもいかないので、今までは購入を控えていました。
ですが、昨今中華製電波式コマンダーも日本の技適マークを取得し始めたのと、安い割にはソコソコ使えるという噂を耳にして、試しに買ってみる事にしました。
そうした所、ソコソコ使える所の騒ぎではなく、かなり使えるではありませんか。
おまけに、純正の電波コマンダーには無くて困っていた機能まで備わっています。
SONYの純正コマンダー(FA-WRC1M)
一体何でそんなに浮かれているのか、SONYの純正コマンダーと比べながら、その中身をお伝えしたいと思います。
ストロボシステムを純正にするか中華製にするか悩んでる方は、必見です。
好感触の開封作業
早速本機の使用感について述べたい所ですが、開封時にいくつか気が付いた事があるので、お伝えしておきたいと思います。
まず化粧箱ですが、かなり薄手の紙を使っており、蓋の両端の切込みが深くなかなか開けられず、苛々させられます。
やっと開いて中身を取り出してみると、内側の干渉材はなんと安っぽいイチゴパックです。
GODOX X Pro Sの化粧箱と緩衝材
おまけにイチゴパックの上には何もなく、本体がむき出しで直接化粧箱に接する様になっており、さすが中華製と言った感じです。
と、ここまでは予想通りの展開です。
ですが、本機のアクセサリーシュー差し込み部に付いているダストキャップを外そうとしたのを境に、徐々に気持ちが変化します。
と言うのは、そのダストキャップが外せないのです。
外せなかったダストキャップと回転式のシューロック
その理由は、(何と言う事もなく)シューロックがしてあったせいなのですが、以前SONYの純正コマンダーやストロボを開封した際、ダストキャップは簡単に外せました。
という事は、SONYの純正品は出荷時にシューロックは解除されたままになっていたのです。
それに対して本機のそれは、きちんとロックされているのです。
SONYのレバー式シューロック機構と異なり、本機のそれは回転式ですので、こんな事でも工場での梱包作業工数は数秒増えます。
純正品よりもサードパーティー製の方が、梱包状態にも気を使っていると知って、正直軽い衝撃を受けました。
そしてもう一つ、良く見ると表示部には保護シールまで貼ってあるではないですか。
SONYの純正品には保護シールなど貼ってありません。
当初は本体に貼ってある検印シールや、箱の中に入っている合格書タグを見て、ただのこけおどしと思ったのですが、どうしどうして中華の品質保証システムもかなり進歩してきている感じです。
実質的には何の意味もない、目障りで剥がしにくいQC PASS(検印)シール
この開封作業だけで、製品への期待が若干膨らんできます。
説明書を見ないで操作できるか?
説明書を読むのは後回しにして、早速電池を入れて電源をONしてみます。
はたして、説明書を読まずに使いこなせるでしょうか?
すると早速ワイヤレスグループの画面が表示されるのですが、グループAの発光モードがマニュアルのままでどうしてもTTL(自動調光)に変わりません。
恐らくモードボタンで変えられそうなのですが、下の写真の様にそのボタンを押してもマルチ発光の設定画面が出てきてTTLになりません。
モードボタンを押しても、TTL自動調光に変わらない
どうやら説明書無しで操作するのは難しそうです。
しょうがないので、説明書でも見ようかと本体を眺めていると、驚きの発見がありました。
AF補助光発光部
な、な、何と、本機にはAF補助光の発光部があるではありませんか。
GODOXのコマンダーにはAF補助光発光機能がある
これはありがたい。
ご存知かもしれませんが、SONYの純正コマンダーにはAF補助光の発光機能はありません。
SONYのコマンダー(FA-WRC1M)にはAF補助光発光機能は無い
SONYのミラーレス一眼であるEマウント機(α7シリーズやα9)には、本体側にAF補助光機能はあるのですが、発光部がグリップの横に付いているので、少し大き目のレンズやフードを付けていると、AF補助光がケラレてしまうのです。
SONY α7シリーズのAF補助光はレンズやフードでカットされてしまう
コマンダー側にAF補助光の発光機能があると、レンズの中心部から離れている分、かなりケラレを防止できます。
本機のAF補助光はレンズやフードでカットされない
ただしこのAF補助光の照射位置が、中心よりかなり上に寄っているのですが、この機能は高く評価できます。
なおこのAF補助光については、もっと感動する事がありますので、それは後ほどお伝えします。
説明書
さて、いきなりべた褒めで始まりましたが、次は説明書です。
もしかしたら説明書も読みやすいのではないかと期待したのですが、こちらはそれ程でもありませんでした。
説明書は中国語と英語しかないのですが、言語以前に構成に難があります。
最初に注意書きと本体名称から始まるのは当然として、次にいきなりワイヤレス発光の設定方法に関する説明になったと思ったら、その次の章では何故か電源スイッチやチャンネル設定の話になっています。
これはどう見ても、入れ替えた方が良いでしょう。
また操作手順においては、文章と図が全くリンクしていないので、実機の画面を見ながら操作しないと文章を全く理解できません。
とは言え、英語は自動翻訳ではなくネイティブな英語ですので、上記を直せば、まずまずのレベルと言えるかもしれません。
そんなこんなで、何とかマニュアルの中身は何とか理解できたものの、後でご紹介するSHOOT Function Settingだけはどうしても理解できませんでした。
ところで、説明書や個装箱に載っている、以下の写真はかなり挑戦的ではないでしょうか?
GODOXのコマンダーが、純正ストロボを子機として扱っている写真
何しろSONYのマーケットで商売しているサードパーティーが、うちの製品を使えば純正ストロボを子機として使えるよ、と言っているのですから。
日本のサードパーティーなら、まず載せる事のない写真です。
チャンネル設定
それではいよいよ本体を使ってみます。
ワイレス発光における混信を避けるため、先ずはワイヤレスチャンネルを変更します。
当然ながら初期値はチャンネル1(CH1)になっていますので、CH1~32の中の好きな数字を選びます。
設定方法は、モニター画面の下にあるZm/CHに対応するソフトボタンを長押しします。
電波チャンネルの変更方法
すると画面上部のチャンネル番号が反転文字になりますので、ダイヤルを回して好きな数字に変更します。
ワイヤレスチャンネルは混信を避けるため、なるべく他人と重複しない数字がお勧めです。
また、本機の場合1~32まで選択できますので、本書としては使用者の誕生日にする事をお勧めしておきます。
本機のチャンネルを変更したら、子機となるストロボの方も同じチャンネル番号に変更し、最後に本機のテストボタンを押して子機のストロボが発光する事を確認したら設定完了です。
メニュー設定
初期設定のまま使い始めても良いのですが、ついでにメニューの設定もやっておきましょう。
これは、メニューボタンを押せば呼び出せます。
当然使用条件や好みによって設定は変わるのですが、本書のお勧めは以下の通りです。
設定 | 選択肢 | 説明 |
---|---|---|
STBY | ON/OFF | ONにすると、何も操作しないと90秒後にスタンバイモードに入ります。 |
BEEP | ON/OFF | 1度もブザーが鳴った事が無いのですが、取り敢えずONにしておきましょう。 |
STEP | 1/256(1/3) 1/128(1/3) 1/256(0.1) 1/128(0.1) |
発光量の最小レベル(1/128 or 1/256)と1段当たりの調整量(0.1 or 1/3)を設定します。 フラッシュメータを使うのでなければ、1/256(1/3)にセットしておきましょう。 |
LIGHT | 12sec 常時ON 常時OFF |
モニター画面の照明時間を設定します。 操作しようとして照明が消えると苛っとするので、常時ONにしておきましょう。 |
SYNC | IN OUT |
本体側面のシンクロソケットを、入力端子(IN)にするか出力端子(OUT)にするか選択します。本機にトリガー信号を送る事はかなりレアだと思いますので、OUTにセットしておきましょう。 |
GROUP | 5/16 | グループの数(5 or 16)を設定します。5グループで十分でしょう。 |
LCD | +1/0/-1 | 液晶のコントラストを設定します。 |
SHOOT | One Shoot Full Shoot APP |
後述しますが、機能が正確に把握できないので、取り敢えずFull Shootにしておきましょう。 |
DIST | 0-30m 1-100m |
電波の送信距離(30m or 100m)を設定します。 100mも必要ないので30mにしておきましょう。 |
ID | OFF 01-99 |
ワイヤレスID番号を設定します。 ワイヤレスCHと同様に、ID番号でも混信を防げます。 |
TCM | TT685等 AD200 AD360II AD600 |
TCM(TTL-Convert-Manual)において、メインとなるストロボ(クリップオン/AD2000等)を登録します。 |
AF | DSLR MILC |
AF補助光の設定用に、一眼レフのAマウント機(DSLR)かミラーレスのEマウント機(MILC)かを選択します。 |
TTLモード
次は発光モードの設定です。
マニュアル発光できるのは当然なので、果たしてTTLの自動調光が本当に可能なのかどうか確認します。
デジタルカメラになってからは、撮った画像が直ぐに確認できるので、ストロボはマニュアルでも十分使えるのですが、環境光が頻繁に変化する所で素早く撮るにはTTL自動調光は何かと便利です。
モードの切り替えは、いずれかのワイヤレスグループを選択してから、モードボタンを押す事で、マニュアル/TTL/OFFを切り替えます。
このとき、グループを選択しないでモードボタンを押すと、(前述しました様に)マルチ発光の選択画面が表示されますので、ご注意願います。
では、ワイヤレス発光できちんとTTL自動調光をしてくれるかどうかですが、試してみると確かに自動調光が効いています。
中華製という事で、正直半信半疑だったのですが、これで一安心です。
TCM transform function
さて次なる感動はTCM transform function(TCM転送機能)です。
TCM transform functionの説明図
TCMとはTTL-Convert-Manual の略の様で、直前に撮影したTTLモードにおける発光量を、マニュアルモードに転送する機能です。
これによって、TTL自動調光における各ストロボの発光量が分かりますし、マニュアルモードにして発光量の微調整も行えます。
TCMの転送方法は簡単で、TTL自動調光モード1枚撮影した後、TCMボタンを長押しすれば、マニュアルモードに切り替わりその前の発光量が記憶され表示されます。
本機能は、SONYの最新ストロボであるHVL-F60RM(2018/4発売)から新たに追加された機能で、SONYのワイヤレスコマンダーにもバージョンアップ後に追加されました。
これと同じ機能が既に本機に入っているとは、全く以って驚きです。
電源スイッチが軽い
これを長所と呼ぶのはどうかと思うのですが、本機の電源スイッチはごくごく一般的なスライドスイッチです。
本機はスライドスイッチなのに対して、純正コマンダーは2段階の回転式
それに対して純正コマンダーのそれは、回転式なのですが、何と手前側にキーロックのONがあり、更に回すとキー操作可能なONの2段式になっているのです。
常識的に考えれば、手前が普通のONで、奥側がキーロックONにするべきだと思うのですが、どういう訳か手間がキーロックONなので、通常使うにはどうしても2段分スイッチを回転させなければなりません。
そして更に許せないのが、このスイッチのクリックがとてつもなく重いのです。
そして、もっと許せないのが、1段目から2段目のクリックは更に重くしているので、2段階回転したつもりが1段だけになっていて、何かキーを操作すると、ロック状態を示す警告表示を見せられるのです。
この警告表示を数回繰り返し見せられた日には、もう二度とこのスイッチを触りたくなくなります。
とにかく、空前絶後のひどい電源スイッチなのです。
このためごくごく普通の電源スイッチである本機は、とてつもなく優れものに感じるという訳です。
α99 IIでもAF補助光が発光する
はじめにでお伝えしておりました、本機のAF補助光のもっと嬉しい事をお伝えしましょう。
それは、SONYのAマウント機(一眼レフタイプ)でもAF補助光が発光する事です。
本機のAF補助光は、Aマウント機(写真はα99 II)でも発光する
信じられないかもしれませんが、SONYの最新式電波式ワイヤレスストロボのHVL-F45RMとHVL-60RMをAマウント機に装着しても、AF補助光は発光しないのです。
下の表にあります様に、何故か同じメーカーのカメラとストロボでありながら、AF補助光が光る機種と、光らない機種があるのです。
ストロボ\カメラ | Eマウント機 | Aマウント機 |
---|---|---|
最新ストロボ HVL-F45RM HVL-60RM |
発光する | 発光しない |
上記以前のストロボ | 発光しない | 発光する |
一体SONY内部で何が起きているか知る由もありませんが、ユーザーはいい迷惑です。
同一企業内の事なのでパテント絡みではないと思うのですが、なぜかAF補助光の発光信号がAマウント機とEマウント機で変更された模様です。
このため本機のAF補助光を使うためにも、メニュー画面からAFの設定をDSLR(Aマウント機)かMILC(Eマウント機)に切り替える必要があるのですが、それでもすっかり諦めていたAマウント機でAF補助光が使えるのは画期的です。
使用する機種によって、DSLR(Aマウント機)かMILC(Eマウント機)を切り替える
そんな画期的な事を、よもや中華コマンダーがやってくれるとは夢にも思いませんでした。
一体どこから、SONYの技術情報を仕入れてきたのでしょうか?
知的財産侵害でアメリカが怒るのも無理からぬ事です。
古いモデルでも電波式ワイヤレス発光ができる
Aマウント機でAF補助光が発光するのも驚きですが、もっと驚くべき事があります。
それは、SONYの純正コマンダーは、新しいαシリーズだけにしか使えないのですが、本機は古いαシリーズでも使えるのです。
具体的には、SONYの純正コマンダーの場合、以下の2014/11以降に発売されたモデルしか使えないのです。
それに対して本機の場合、説明書を見る限り以下の2014/11以前い発売されたモデルにも使えるのです。
α77 II、α77、α99、α6000、α9、α7R、α7RIII、α350
上記はGODOXが動作確認したモデルなのですが、これを見る限り恐らくマルチインターフェースシューを搭載したSONYの大多数のモデルが使えると思って良さそうです。
単にワイヤレスで発光させるだけでしたら難しい事はないのでしょうが、TTL自動調光が働くというのは信じられません。
邪魔なAF補助光スイッチ
さて、今までは散々褒めちぎってきましたが、欠点が無い訳ではありません。
という訳で、いくつか問題点を指摘しておきましょう。
先ず1点目がAF補助光スイッチです。
あるとき本機をEマウント機に接続して使ったのですが、いきなり本機のAF補助光が光らなくなってしまいました。
もちろんAF補助光の設定はEマウント機を選択しています。
暫く分からなかったのですが、ようやく気が付いたのは、本機の横にあるAF補助光スイッチがOFFになっていたからでした。
下の写真をご覧の様に、AF補助光スイッチは、電源スイッチと同形状で本体側面にあるのです。
ですので手感で電源スイッチを操作していると、誤ってAF補助光スイッチをOFFしてしまうのです。
なぜこのスイッチだけを独立させたのかは謎ですが、OFFにする事は殆どありませんので、粘着テープで固定する事をお勧めします。
いつも空のバッテリー残量表示
問題の2点目は、バッテリーの残量表示です。
今どきでしたら殆どの方が電池はエネループをお使いだと思うのですが、その場合満充電であっても、バッテリーの残量表示はローになってしまうのです。
万年空表示のバッテリー残量表示
試しに乾電池を入れると満表示になりますので、ニッケル水素電池の場合電圧が低いのが原因の様です。
中国では、高品質のニッケル水素電池はまだ普及していないのでしょうか?
意味不明な表示部LED
問題という訳ではないのですが、良く分からないのが表示部下に設けられたLEDです。
これは本機の発光ボタンを軽く押すと緑に光り、深く押す(もしくはシャッターを切ると)と赤く光ります。
この赤いLEDは何のため?
ですが、それで一体我々にどんな御利益(ごりやく)があるのでしょうか?
確かに本機と別売のレシーバーを使って無線でシャッターを切る事ができるのですが、それでもLEDを光らせる必要はありません。
GODOXのレシーバーを使えばワイヤレスレリーズが可能
カメラのシャッターボタンの横に、シャッターと同期したLEDがある様なものです。
このLEDは、一体誰に何を伝えるために付いているのでしょうか?
どうしても分からないSHOOT設定
すでにお伝えしましたが、どうしてもスッキリしないのが、メニューにあるSHOOTの設定です。
良く分からないSHOOTメニュー
マニュアルをみると以下の様に書かれているのですが、これを読んでこの機能を正確に理解できる方はいらっしゃらないでしょう
Setting Signs | Settings and Description(日本語は本書による直訳) |
---|---|
One-shoot | Only send triggering signals in the M & Multi mode when camera is shooting
マニュアルとマルチ発光モードにおいて、シャッターボタンを押したとき、発光信号だけを送る |
Full-shoot | Send parameters and triggering signal when camera is shooting (Suitable for multiperson photography) シャッターボタンを押したとき、発光信号とパラメータを送る (複数人物の撮影に適している) |
APP | Only send triggering signals when camera is shooting (control the flash's parameters by smartphone APP) 写真を撮ったとき、発光信号だけを送る(複数人物の撮影に適している) |
ちなみにAPPに関しては、GODOXのHPからiPhone用のアプリであるGodoxPhotoをダウンロードすれば、iPhoneからパラメータを送付できる機能の様です。
iPhoneからGodoxのストロボにパラメータが遅れる
ですが、One-shootとFull-shootの違いはどうしても分かりません。
パラメータを送るのと送らないのが、被写体の数にどう影響するのでしょうか?
謎です。
とは言え、パラメーターを送ってくれるのですから、ここはFull-shootに設定しておきましょう。
純正コマンダーの良い所
今まではSONYの純正コマンダーの悪い所ばかり述べてきましたので、最後に純正コマンダーの良い所も述べておきたいと思います。
光るボタン
1点目は、夜間照明を点灯すると、表示パネルだけではなくボタンの周囲もLEDが点灯する事です。
純正コマンダーはボタン周囲も光る
ただしボタンの周囲が光っても何のボタンかは分からないので、ほとんどアリガタミはありません。
オマケにGODOXの様にモニターの常時点灯はできないため、操作しようとすると真っ暗になって、却って苛々させられます。
1対1のリンク
2点目は、純正コマンダーと純正ストロボのリンクは、Bluetoothと同じ様に両者を近接させて1対1で行う事です。
純正コマンダーのペアリングは1対1で行なう
このため、GODOXの様に使用チャンネルが重なって、混信する事はありません。
ただしGODOXの場合、チャンネル(32通り)とID(99通り)を組み合わせて設定できますので、混信の可能性は限りなく低いと言えます。
おまけに純正コマンダーの場合、交信する全ての子機と1個ずつペアリングを行う必要があるため、GODOXの様にただチャンネルを合わせるだけより遥かに面倒です。
LINK表示LEDがある
3点目は、純正コマンダーの先端部には、LINKを示すLEDが付いる事です。
このLEDは、ペアリングのときにしか見ないと思いきや、ワイヤレス増灯しようとするとなぜか1対1のLINKが途切れていたりしますので、そういう意味では必需品です。
防塵防滴に配慮した設計
GODOXのコマンダーについては、防塵防滴は全く謳われていないのですが、純正コマンダーは防塵防滴に多少配慮されています。
防滴処理が全くされていないマルチインターフェースシューの接続端子
ただしSONY独自のマルチインターフェースシューの接続端子はむき出しですので、よもやこのまま雨の日に使う人はいないでしょう。
折角純正コマンダーの良い所を書いたつもりなのですが、書かない方が良かったでしょうか?
まとめ
さてまとめです。
上記をご覧頂きます様に、多少意味不明の個所があるものの、純正と比べれれば性能も価格も明らかに上回っています。
特にAF補助光機能は特筆できます。
という訳で、誰がどう考えても、純正品は止めてこちらにするべきです。
なお途中にも触れましたが、本機の制御システムには、かなりSONYの技術情報が使われている様な感じです。
また推測ですが、恐らく本機の開発には日本人技術者も少なからず絡んでいるのでしょう。
このため、いつかSONYをはじめとするカメラメーカーが、(サードパーティー対策とは決して言わないでしょうが)ストロボの通信プロトコルを変更するのではないかと、心配してしまいます。