デジタルカメラ便覧
2014/10:発行
2019/02:更新
2019/02:更新
目次
APS-Cサイズミラーレス
APS-Cサイズミラーレスは、キヤノン、ソニー、フジフィルム、シグマが発売していますが、2強はソニーとフジフィルムと言っても良いでしょう。
その理由は、シグマは少々特殊なカメラであり、キヤノンはAPS-Cサイズミラーレスはあくまでもエントリー機として扱っているからです。
ですが、キヤノンもEOS Kiss Mを発売してからは、売り上げでは2社に追い付きつつあります。
そんな中、2019年にニコンからもAPS-Cサイズミラーレスが発売されましたので、今後一眼レフと同じ様な展開が期待されます。
なお以前はリコーも特殊なAPS-Cサイズミラーレスを発売していましたので、参考で載せておきます。
ソニー
ソニーは気合いが入っています。
2010年に世界最小を謳って発売されたソニーのミラーレス一眼は、従来NEXという名称が付いていたのすが、2014年からαの名称に統一されました。
世代 | シリーズ |
---|---|
第4世代? | VLOGCAM ZV-E10 |
第3世代 | α6000シリーズ |
第2世代 | α5000シリーズ |
初代 | NEXシリーズ |
ちなみにNEXシリーズにおいては、3、5、6、7の順で(大きい数字が)上位機種になり、αの名称に統一されてからは、4ケタの数字になって、やはり大きい数字が上位機種になります。
第2世代のα5000シリーズは、NEXシリーズとα6000との中継ぎの役目で最終的に2台で終了し、現行のα6000シリーズにバトンタッチします。
それでは、最新のZV-E10から見ていきましょう。
VLOGCAM ZV-E10
VLOGCAM ZV-E10は、最近流行のVlog撮影に特化したモデルで、α6100からファインダーとストロボを削除し、代わりにマイクを強化し、更に背面モニターをチルト式からバリアングルに変えたモデルと言えば分かり易いでしょうか。
VLOGCAM ZV-E10
このため、価格がα6100も大幅に安くなり、シャッターボタンの周囲にズームレバーが搭載された事により、かなり使い易くなりました。
モデル (発売日) |
特徴 | 動画 | ストロボ | EVF | モニター | Wi - Fi |
連写 (コマ/秒) |
シャッター 速度 |
常用最大 ISO感度 (拡張) |
画素数 (万画素) |
ZV-E10 (21/09) |
Vlog撮影用モデル。 α6100からファインダーとストロボを削除した様なモデル。背面モニターをバリアングルに変更し、シャッターボタン周囲にズームレバー搭載。 3カプセルマイクを搭載、ウインドスクリー付属。 |
4K 30P FHD 120P |
外付け | 無し | 92万 自撮り対応上下チルトタッチパネル |
対応 | 11 (AF追従) |
1/4000 -30, B |
100- 32k (51k) |
2420 万画素 |
α6000シリーズ
α6000シリーズは電子ファインダー内蔵のハイアマチュア向けモデルで、構成は以下の様になっています。
クラス\世代 | 第1世代 | 第2世代 | 第3世代 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
上級 | α6500 | α6600 | α6900? | ボディー内手ブレ補正搭載 金属ボディー |
中級 | α6300 | α6400 | α6700 | 金属ボディー |
初級 | α6000 | α6100 | α6400? | プラスチックボディー |
第1世代ははどれもストロボ内蔵でモニターはチルト式なのですが、残念ながら自撮りには対応していませんでした。
α6500 |
α6300 |
α6000 |
第1世代のα6000シリーズ
一方第2世代は、モニターはチルト式ながら自撮りに対応したものの、α6600は内蔵ストロボが廃止されました。
自撮り可能モニターを搭載したα6400
α6600 |
α6400 |
α6100 |
第2世代のα6000シリーズ
それでは各機種の特徴を細かく見ていきます。
モデル (発売日) |
特徴 | 動画 | ストロボ | EVF | モニター | Wi - Fi |
連写 (コマ/秒) |
シャッター 速度 (電子) |
常用最大 ISO感度 (拡張) |
画素数 (万画素) |
α6700 (23/7) |
α6600の後継機 新たにBIONZ XRとAIユニットを搭載し、α7R Vに採用されたリアルタイム認識AFに対応。撮像素子も裏面照射型の2600万画素になり、ボデイー内手振れ補正を搭載し、モニターもバリアングルに変更。タッチパネルがようやくメニューにも対応し、動画/静止画切り替えダイヤルと前ダイヤル追加。USBがタイプCになる。 動画は4K120Pに対応。 |
4K 120P FHD 120P |
外付け | 236万ドット 0.7倍 120fps |
104万 Bali タッチパネル |
対応 | 11 (AF追従) |
1/4000 -30, B SINC 1/160 (1/8k -30) |
100 (50) - 32k (102k) |
2600 万画素 |
α6600 (19/11) |
α6500の後継機で上級機の第2世代。 BIONZ Xを搭載し、常用最大ISO感度が32000になり、処理速度も1.8倍にアップ。 バッテリーを大型化し、新たに動画時のリアルタイム瞳AFを搭載。 ただし内蔵ストロボ廃止。 |
4K 30P FHD 120P |
外付け | 236万ドット 0.7倍 120fps |
92万 自撮り対応上下チルトタッチパネル |
対応 | 11 (AF追従) |
1/4000 -30, B |
100 (50) - 32k (102k) |
2420 万画素 |
α6100 (19/10) |
α6000の後継機で初級機の第2世代。 基本性能はα6400とほぼ同じだが、ファインダーの解像度が劣り、ボディーがプラスチックで、アンチダスト機能と水準器が省略されいる。 |
4K 30P FHD 120P |
内蔵 | 144万ドット 1.1倍 |
92万 自撮り対応上下チルトタッチパネル |
対応 | 11 (AF追従) |
1/4000 -30, B |
100- 32k (51k) |
2420 万画素 |
α6400 (19/2) |
α6300の後継機で中級機の第2世代。 α6300に対して、自撮り可能なタッチパネルモニター搭載。 画像処理エンジンがBIONZ Xになり、ISO感度とC-AFの追従性アップ。 |
4K 30P FHD 120P |
内蔵 | 236万ドット 0.7倍 120fps |
92万 自撮り対応上下チルトタッチパネル |
対応 | 11 (AF追従) |
1/4000 -30, B |
100- 32k (102k) |
2420 万画素 |
α6500 (16/12) |
APS-Cサイズの最上位機種 α6300に対してボディ内5軸手ブレ補正とタッチパネルを新たに搭載。 |
4K 30P FHD 120P |
内蔵 | 236万ドット 0.7倍 120fps |
92万ドット 上下チルト タッチパネル |
対応 | 11 (AF追従) |
1/4000 -30, B |
100- 25.6k (51.2k) |
2420 万画素 |
α6300 (16/4) |
APS-Cサイズの上位機種 防塵防滴のマグネシウム合金採用、EVF高精細化(236万ドット)、世界最速(0.05秒)最多(位相425点+コント169点)AFと30Pの4K動画対応。 電子水準器復活。 |
4K 30P FHD 120P |
内蔵 | 236万ドット 0.7倍 120fps |
92万ドット 上下チルト |
対応 | 11 (AF追従) |
1/4000 -30, B |
100- 25.6k (51.2k) |
2420 万画素 |
α6000 (14/3) |
NEX-7の後継機 有機ELファインダー搭載(144万ドット)、0.06秒高速広域AF(位相179点+コント169点)、チルト液晶 |
FHD 60P |
内蔵 | 144万ドット 0.7倍 |
92万ドット 上下チルト |
対応 | 11 (AF追従) |
1/4000 -30, B |
100- 25.6k |
2430 万画素 |
第1世代でお勧めなのは、断然α6000です。
先ずα6500については、ボディー内5軸手ブレ補正が最大の売りなのですが、広角以外の専用レンズには、全て手ブレ(角度振れ)補正機構が組み込まれているため、メリットは殆ど感じません。
確かに、レンズ内手ブレ補正は角度振れのみ対応なのに対して、α6500は5軸手ブレ補正が働くのですが、シフト振れが有効なのはマクロ撮影の場合ですし、回転振れが有効なのは手持ちの長時間撮影の場合ですので、一般用途であれば角度振れ補正しか効果を実感できません。
次にα6300はα6000に対して、像面位相差AFの測距点が増え、EVFの高精細化と4K動画対応と金属ボディが売りなのですが、いかんせん価格差が5万円近くも異なります。
と言う訳で、第1世代の3台においてはα6000がお勧めと言えます。
次に第2世代においては、第1世代と同様にボディーがプラスチックでファインダーの画素数等が劣るものの、基本性能は上位機種と同じですのでやはりα6100がお勧めです。
α5000シリーズ
電子ファインダー非搭載のα5000シリーズには、従来α5100とα5000があったのですが、2017年にα5000は生産中止になり、α5100も2019年中に生産中止の予定です。
α5100 α5000
モデル (発売日) |
特徴 | 動画 | ストロボ | 自撮り | Wi - Fi |
連写 (コマ/秒) |
シャッター 速度 |
常用最大 ISO感度 |
画素数 (万画素) |
α5100 (14/8) |
α5000の上位モデル。 α6000から電子ファインダーを外し、その代わりに自撮り可能タッチパネルモニターを搭載。 AFは位相179点+コント25点のハイブリッド方式を採用。 |
FHD 60P |
内蔵 | 対応 | 対応 | 6 | 1/4000 -30, B |
25600 | 2430 万画素 |
α5000 (14/2) |
NEX-3Nの後継機で、本機よりブランド名をNEXからαに変更。 発売当時、APS-Cサイズミラーレス一眼で世界最小最軽量。 NEX-3Nに対して、画素数をアップし、ホワイト、ピンク、ブラック、シルバーの4色を用意すると共に、Wi-Fi&NFCを新規搭載しPlayMemories Camera Appsにも対応。 コントラスト25点AFのみで、モニターは46万画素。 |
FHD 60P |
内蔵 | 対応 | 対応 | 2.5 | 1/4000 -30, B |
16000 | 2010 万画素 |
中古のα5000は値段も安いのが魅力ですが、撮像素子もAF性能も一世代前になりますので、この2台の中では、α5100の方がお勧めと言えます。
NEXシリーズ
続いては旧型のNEXシリーズです。
NEX-7 NEX-6 NEX-5T NEX-5R NEX-3N
モデル (発売日) |
特徴 | ストロボ | 自撮り | Wi - Fi |
連写 (コマ/秒) |
シャッター 速度 |
常用最大 ISO感度 |
画素数 (万画素) |
NEX-5T (13/9) |
ミドルクラスとなる5シリーズの4代目。 5Rの機能を踏襲した上で、NFCによる画像転送機能を強化。 |
同梱 | 対応 | 対応 | 10コマ | 1/4000 -30, B |
25600 | 1610万画素 |
NEX-3N (13/3) |
NEXのエントリーモデル。 180度上方反転液晶とストロボ内蔵ながら210gの軽量化を実現。 |
内蔵 | 対応 | 無 | 4コマ | 1/4000 -30, B |
16000 | 1610万画素 |
NEX-5R (12/11) |
5シリーズの3代目。 同時期に発表されたNEX-6と基本性能は同じとし、自撮りに対応した180度上方反転液晶、タッチパネル、タッチシャッター機能を搭載。ただしファインダー無し。 |
同梱 | 対応 | 対応 | 10コマ | 1/4000 -30, B |
25600 | 1610万画素 |
NEX-6 (12/11) |
NEX-7に対して、画素数を抑え、モードダイヤルとWi-Fi機能を追加したモデル。ファインダー有り。 | 内蔵 | 非対応 | 対応 | 10コマ | 1/4000 -30, B |
25600 | 1610万画素 |
NEX-7 (12/1) |
NEXのフラッグシップモデル。 有機ELファインダー、ファストハイブリッドAF、チルト液晶モニター、ストロボ搭載。FHD60P対応 |
内蔵 | 非対応 | 対応 | 10コマ | 1/4000 -30, B |
16000 | 2430万画素 |
NEX-5N (11/11) |
5シリーズの2代目。 初代の1400万画素から1600万画素にアップ、ただしAFは依然コントラスト方式、自撮りに非対応のバリアングルモニターと静電方式タッチパネルを搭載。 |
同梱 | 非 対応 |
非 対応 |
10コマ | 1/4000 -30, B |
25600 | 1610万画素 |
上記5機種の特徴をもう少し分かり易くまとめると、以下の通りです。
機種\機能 | 動画 | 電子ファインダー | ストロボ内蔵 | 自撮り | 撮影アプリ |
NEX-7とNEX-6 | FHD60P | ○ | ○ | x | ○ |
NEX-5TとNEX-5R | FHD60P | x | x | ○ | ○ |
NEX-3N | FHD60P | x | ○ | ○ | x |
この中で一番のお勧めは、やはり自撮り対応でストロボも内蔵し、且つ一番安いNEX-3Nではないでしょうか。
確かに上位機種はAFが早かったり、画素数が多かったり、連写速度が早かったりするのですが、出来上がった写真にそれほど大きな差はありません。
本機は型番からすれば入門機の扱いなのですが、NEXシリーズの中ではほぼ最終モデルになります。
このため、シャッターボタンの周囲にズームレバーが付いており、同時期に発売されたパワーズームの16-50mm(13/2発売)を装着した場合、片手で操作可能です。
ソニーレンズ群
専用レンズについては、ズームレンズが10本(内ビデオ用が2本)、単焦点レズが8本(内コンバーターが2本)とまずまずですが、300mm超の望遠レンズや、明るい単焦点レンズが無いのが少々寂しい所です。
レンズ | フルサイズ換算 (mm) |
最短撮影距離 (m) |
フィルター径 (mm) |
手ブレ補正 | 重さ (g) |
価格 (万円) |
|
1 | 10-18mm F4.0 | 15-27mm | 0.25 | 62 | ○ | 225 | 9.5 |
2 | 16-50mm F3.5-5.6 | 24-75mm | 0.25 | 40.5 | ○ | 116 | 4 |
3 | 16-70mmZ F4.0 | 24-105mm | 0.35 | 55 | ○ | 308 | 9.9 |
4 | 18-55mm F3.5-5.6 | 27-83mm | 0.25 | 49 | ○ | 194 | 3.5 |
5 | 18-105mm F4.0 G | 27-158mm | 0.45 | 72 | ○ | 427 | 6.3 |
6 | 18-110mm F4.0 G | 27-165mm | 0.4 | 95 | ○ | 1105 | 44.4 |
7 | 18-200mm F3.5-6.3 LE | 27-300mm | 0.5 | 62 | ○ | 460 | 7.1 |
8 | 18-200mm F3.5-6.3 | 27-300mm | 0.3 | 67 | ○ | 524 | 7.6 |
9 | 18-200mm F3.5-6.3 PZ | 27-300mm | 0.3 | 67 | ○ | 649 | 11 |
10 | 55-210mm F4.5-6.3 | 83-315mm | 1.0 | 49 | ○ | 345 | 4.2 |
1 | 16mm F2.8 | 24mm | 0.24 | 49 | 無し | 67 | 3 |
2 | 20mm F2.8 | 30mm | 0.2 | 49 | 無し | 69 | 4.2 |
3 | 24mm F1.8 | 36mm | 0.16 | 49 | 無し | 225 | 9.9 |
4 | 35mm F1.8 | 53mm | 0.3 | 49 | ○ | 154 | 5.5 |
5 | 50mm F1.8 | 75mm | 0.39 | 49 | ○ | 202 | 3.5 |
6 | 30mm F3.5 | 45mm | 0.095 | 49 | 無し | 138 | 3 |
7 | フィッシュアイコンバーター | 15/20mm | 無し | 150 | 1.8 | ||
8 | ウルトラワイドコンバーター | 18/24mm | 無し | 125 | 1.6 |
この中でお勧めのズームレンズを下のチャートから見てみたいと思います。
上のチャートは、ズームレンズの焦点距離と開放絞り値をプロットしたものです。
これを見るとついついズーム比の大きなレンズに惹かれてしまいますが、フルサイズ換算で300mmを使う事は、運動会くらいです。
ですので、もし1本で済ませたいのでしたら、16-70mm F4辺りがお勧めと言えます。
そして、もう1本買う余裕があれば、10-18mm F4がお勧めです。
また単焦点の広角レンズやマクロレンズは、フルサイズ用と比べるとかなり安いので、お勧めです。
特にフィッシュアイコンバーターは広角レンズとセットにしても4万円以下と、かなり魅力的な値段ですので、一度使ってみたいと思われている方には最適かもしれません。