デジタルカメラ便覧
2014/10:発行
2018/01:更新
2018/01:更新
目次
4/3サイズミラーレス
続いては4/3陣営のもう一つ雄とも言えるパナソニックのルミックスです。
ご存じとは思いますが、ルミックスの最大の特徴は、元々家電メーカーである事もあり、ビデオ機能に長けている事です。
また光学分野では、ライカと提携している事も特徴として挙げられます。
パナソニック
そのルミックスにおける4/3サイズミラーレスの構成は、以下の様になっています。
シリーズ | モデル | 特徴 |
---|---|---|
G | G100、G99、G9、G8、G7、G6 | 従来は毎年更新される標準機だったが、G9以降はスチールカメラとしてのフラッグシップ(今後はG9にモデル名固定) |
GH | GH6、GH-5M2、GH-5S、GH5、GH4、GH3、GH2 | 当初は静止画と動画の融合機(GHの”H”はHybridに由来)であったが、GH-5以降は動画機能重視の最高級機 |
GX | GX7 MK2、GX7、GX8、 | レンジファインダースタイルの高級機 当初はGシリーズの廉価版だったが、GX7以降一気に高級志向になり、GX7系が機動力重視、GX8系がじっくり撮影重視 |
GF | GF9、GF7、GF6、GF5 | ファインダーの無い入門機 |
GM | GM5、GM1S、GM1 | 小型軽量機 |
いずれも当初よりタッチパネルを採用し、フォーカスエリアの選択等の操作性を高めて他社との差別化を図っています。
またオリンパスと異なり、パナソニックはレンズ内手ブレ補正を採用していましたが、最近はボディー手ブレ補正も採用しています。
それでは先ず、ルミックスの顔とも言えるGシリーズから見ていきたいと思います。
1) Gシリーズ
世界初のミラーレス一眼となったルミックスのGシリーズは、初代G1よりミラーレス一眼の三種の神器とも言える電子ファインダー、バリアングルモニター、内蔵ストロボを一環して搭載していました。

DC-G7 |
DC-G6 |
DC-G5 |
DC-G3 |
DC-G1 |
ところが2016年以降になって、パナソニックはスチールカメラの重要性に目覚めた様で、G8以降はそれまでGHシリーズだけだったマグネシウム合金の筐体を採用しました。

Gシリーズで初めて金属ボディーを採用したDC-G8
そして最新のG9に至っては他社のプロ用カメラと同様に内蔵ストロボを削除すると共に本体上面に表示パネルを追加し、更にファインダーの倍率を大幅にアップしました。

モードダイヤルに赤いラインを入れてプロ使用を意識したG9 Pro(DC-G9)
発売価格は20万円にも達しましたが、ここまで来ると確かにプロでも不満なく使えそうな性能ですので、今後フルサイズモデルに打って出たくなるのも無理からぬ事と言えます。
また最近発売されたG99はG9のディチューン版で、G9のサブ機及びハイアマチュア向けモデルという扱いになり、G100はV-Log用となります。

ストロボ内蔵のDC-G99とV-Log機のDC-G100
モデル | 特徴 | ストロボ | EVF | モニター | 連写 (電子) |
シャッター 速度 (電子) |
ISO感度 (拡張) |
画素数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
DC-G100 2020/8 |
DC-G9の作像系を流用したV-Log機。 顔・瞳認識AFに連動し、自動で収音範囲を調整する内蔵マイクモードを搭載。 動画撮影時の手ブレ補正力を強化し、モニターの解像度アップ。標準ズームレンズ付属。 |
内蔵 | 368万 0.73倍 |
3型 184万 バリアングル タッチ |
6 (10) コマ/秒 |
(1/16k) 1/4k ~ 60” B |
(100) 200 - 25.6k |
2,030 万画素 |
DC-G99 2019/5 |
DC-G9のディチューンモデル。 画像系は共通だが、手ブレ補正効果が5段分、空間認識AF速度が0.07秒、連写速度9コマ、電子ファインダーが236万ドット、メカニカルシャッターが1/4000秒、シンクロターミナル無し、シングルスロット、6Kフォト非対応、4K/30pと僅かずつスペックダウン。FHD120fpsはMF。 但しモニターは124万ドットでストロボ内蔵。 |
内蔵 | 236万 0.74倍 |
3型 124万 バリアングル タッチ |
9 (9) コマ/秒 |
(1/16k) 1/4k ~ 60” B |
(100) 200 - 25.6k |
2,030 万画素 |
DC-G9 2018/1 |
従来機とは一線を画す、スチールカメラとしての機能を大幅に向上させたモデル。 2000万画素の撮像素子を搭載し、ボディー内手ブレ補正を6.5段に改善し、さらに世界最速(0.04秒)空間認識AFを達成。 368万ドットでトップクラスの高倍率電子ファインダー採用。 連写速度アップ、メカニカルシャッターを1/8000秒に拡大し、シンクロターミナル、Bluetooth、デュアルスロット、ハイレゾモードを新規搭載。 6Kフォトと秒間60コマの4Kフォト可能。 ただし動画は、連続記録時間10分の4K/60pに限定。FHD 180fps対応。 |
外付け | 369万ドット 0.83倍 100fps 遅延5ms |
3型 104万ドット バリアングル タッチパネル |
12 (60) コマ/秒 |
(1/32k) 1/8k ~ 60” B |
(100) 200 - 25.6k |
2,033 万画素 |
DMC-G8 2016/10 |
ローパスフィルターレス、ボディー内手ブレ補正(5段分)追加、金属ボディーを採用し防塵防滴対応、AF追従性能向上、秒間30コマ長時間連写の4Kフォト、フォーカスセレクト、フォーカス合成に対応。 | 内蔵 | 236万ドット 0.74倍 |
9 (40) コマ/秒 |
(1/16k) 1/4k ~ 60” B |
(100) 200 - 25.6k |
1,600 万画素 |
|
DMC-G7 2015/6 |
デザインを角ばった形に変更し前後ダイヤル、空間認識AF(EV-4に対応)、4K動画及び4Kフォトに対応。電子ファインダーが236万ドットへ。 | 内蔵 | 8 (40) コマ/秒 |
1/4k ~60”, B (1/16k ~1) |
160- 25.6k |
1,600 万画素 |
||
DMC-G6 2013/6 |
動画(60pのAVCHD)を強化し、デザイン変更と軽量化を実施。 | 内蔵 | 144万 0.7倍 |
7(40) コマ/秒 |
160- 12.8k (25.6k) |
1,605 万画素 |
||
DMC-G5 2012/9 |
グリップ部を厚くし、G3で省略されたアイセンサーも復活。電動ズーム用レバー、タッチパッドAF機能、電子シャッターを新たに搭載。 | 内蔵 | 3型 92万 バリアン タッチ |
6(20) コマ/秒 |
1/4k ~ 60”, B |
160- 12.8k (25.6k) |
1,605 万画素 |
|
DMC-G3 2011/7 |
先代からのデザインを一新して、丸みを帯びた形状にし、25%の小型化とAF速度を向上。 | 内蔵 | 3型 46万 バリアングル タッチパネル |
4 コマ/秒 |
160- 6.4k |
1,600 万画素 |
||
DMC-G2 2010/3 |
ハイビジョン(AVCHD Lite)動画撮影機能とタッチパネルを新たに搭載。 | 内蔵 | 3 コマ/秒 |
100- 6.4k |
1,210 万画素 |
|||
DMC-G1 2008/10 |
EVFとバリアングルモニターを搭載した世界初のミラーレス1眼。 | 内蔵 | 3 コマ/秒 |
100- 3.2k |
1,210 万画素 |
G9以降はそれまでGシリーズと一線を画す出来栄えですので、もし本格的に撮りたい方は、G9以降を選ぶ事をお勧めします。
なおG7以降はなで肩の直線形スタイルですが、先々代のG6の曲線スタイルは出色です。
2) GHシリーズ
次はルミックスのフラッグシップ機になるGHシリーズです。
Gシリーズに対して動画の機能が強化されており、Gシリーズがプラスチックに対してこちらはマグネシウムのボディーで一回り大きくなっています。

DC-GH4 DC-G7
またGシリーズがほぼ毎年更新されるのに対して、GHシリーズは2年置きの更新になっています。
と今まではお伝えしていたのですが、GH5(とG8)から様相が一気に変わってきました。

DC-GH5
パナソニックとしては、今後GHシリーズを動画対応のフラッグシップ機、Gシリーズをスチールカメラのフラッグシップ機とする事にした様です。

プロ用動画機能を搭載した高感度モデルDC-GH5S
また最新のDC-GH5Sにおける動画の性能は、SONYのミラーレス一眼を凌いでいるかもしれません。
更に最新のGH6に至っては、プロ用動画機と呼んだ方が良さそうな感じです。

空冷ファンまで搭載したDC-GH6
DC-GH6 |
DC-GH5M2 |
DC-GH5S |
DC-GH5 |
DC-GH4 |
DC-GH3 |
DC-GH2 |
DC-GH1 |
3) GFシリーズ
次はルミックスの入門機になるルミックスのGFシリーズです。
DMC-GF9 |
DMC-GF7 |
DMC-GF6 |
DMC-GF5 |
DMC-GF3 |
DMC-GF1 |
4) GXシリーズ
次はルミックスのGXシリーズです。
初代のGX1はルミックスのG3からファインダーを取り除いただけのモデルだったのですが、二代目となるGX7以降はとんでもありません。

チルト式EVFがユニークなDMC-GX8
富士フィルムの高級ミラーレス機であるX-Proシリーズをかなり意識している様で、同時代のルミックスのGシリーズ以上に高機能です。
パナソニックでは、このGXシリーズをストリートフォトモデルと呼んでいる様です。
DMC-GX7 MK3 |
DMC-GX7 MK2 |
DMC-GX8 |
DMC-GX7 |
DMC-GX1 |
モデル | 特徴 | ストロボ | モニター | EVF | 動画 | 連写 (電子) |
シャッター 速度 (電子) |
ISO感度 (拡張) |
画素数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
DMC-GX7 MK3 2018/3 |
DMC-GX7MK2の後継機。GX7MK2で省略された、チルト可動式EVFとフォーカスモードレバーが復活し、新たに露出補正ダイヤルも搭載された。フォーカスブラケット、絞りブラケットを搭載し、Bluetooth追加。 | 内蔵 | 不可 124万 dot Tilt Touch |
276万 dot x0.7 Tilt |
4K 30p |
8(20) コマ/秒 |
(1/16k) 1/4k ~ 60” B |
(100) 200 - 25.6k | 2,030 万画素 |
DMC-GX7 MK2 2016/5 |
GX7の後継機 ローパスフィルターレス、L.モノクロームモード等新規採用、静音メカニカルシャッター、Dual I.S手ブレ補正、3通りの4Kフォトとフォーカスセレクトモードを採用。 ただしEVFは固定。 |
内蔵 | 不可 104万 dot Tilt Touch |
276万 dot x0.7 固定 |
4K 30p |
8(20) コマ/秒 |
(1/16k) 1/4k ~ 60” B |
(100) 200 - 25.6k |
1,600 万画素 |
DMC-GX8 2015/8 |
ボディ4軸×レンズ2軸によるDual I.S手ブレ補正、バリアングルモニター、倍率が0.77倍と0.7倍に変更可能な236万ドットの有機ELのチルト式EVF、4K動画と4Kフォト対応、防塵防滴マグネシウム合金ボディ。 | 外付け | 可能 104万 dot Vari Touch |
236万 dot x0.77 or x0.7 Tilt |
4K 30p |
8(40) コマ/秒 |
(1/16k) 1/8k ~ 60” T |
(100) 200 - 25.6k | 2,030 万画素 |
DMC-GX7 2013/9 |
LUMIX Gシリーズとして初のボディ内手ブレ補正搭載、90度可動式276万ドットのEVF、EV-4のAF検出を新たに搭載。 | 内蔵 | 不可 104万 dot Tilt Touch |
276万 dot x0.7 Tilt |
FHD 60p |
5(20) コマ/秒 |
1/8k ~ 60” B |
(125) 200 - 25.6k |
1,600 万画素 |
DMC-GX1 2011/11 |
G3からEVFを取り去り、モニターを固定式にした標準モデル。 フルHV動画、高速0.09秒AF搭載。 |
内蔵 | 不可 固定 |
無し | FHD 30p |
4.2(20) コマ /秒 | 1/4k ~ 60” B |
160 - 12.8k | 1,600 万画素 |
初代のGX1以外はWi-Fi搭載
なお最新でありながらGX9ではなくマーク2となったDMC-GX7 MK2とDMC-GX8のポジションの違いについては、小型軽量で5軸手ブレ補正とストロボ内蔵のDMC-GX7 MK2が機動力重視、少し大柄の防塵防滴金属ボディーでEVF可変と高画素のDMC-GX8がじっくり撮影する画像重視といったところでしょうか。
5) GMシリーズ
最後はGMシリーズです。
このシリーズは小型軽量化を徹底的に追及したモデルで、先幕は電子シャッター、後ろ幕のみメカシャッターにしています。
DMC-GM5 |
DMC-GM1S |
DMC-GM1 |
特にGM5はこの大きさで電子ファインダーを搭載している事は立派です。
パナソニックのレンズ群
パナソニックのレンズも、これまた豊富に揃っています。
広角
8mm F3.5 |
12mm F1.4 |
14mm F2.5 |
15mm F1.7 |
20mm F1.7 |
標準
25mm F1.7 |
25mm F1.4 |
中望遠
30mm F2.8 |
42.5mm F1.7 |
42.5mm F1.2 |
45mm F2.8 |
広角ズーム
7-14mm F4.0 |
12-32mm / F3.5-5.6 |
12-60mm / F3.5-5.6 |
14-42mm F3.5-5.6 |
14-42mm F3.5-5.6 |