2016/06: 初版
はじめに
オリンパスE-M5 Mark IIと40Mハイレゾショット それに対してペンタックスのK-3 IIやK-1に搭載されたリアル・レゾルーション・システム。 ペンタックスK-1とリアル・レゾルーション・システム 機種は全く異なるにも関わらず、いずれも苔生(こけむ)した樹木をサンプル画像に使うのは何か訳があるのでしょうか? それはともかくとして、いずれも撮像素子を僅かに動かしているので、同じ高解像度処理を行っていると思われているかもしれませんが、両者は似て非なるものです。 一言で言えば、オリンパスは単純に画素数を増やしているのに対して、ペンタックスは純粋な色データを採取しようとしているのです。 本書では、その違いを分かり易くご説明したいと思います。 40Mハイレゾショット
もう少し補足しますと、下の図の左が通常の1枚撮影の場合で、1個ずつの○が一画素を表しています。
40Mハイレゾショットのイメージ画像 40Mハイレゾショットは、撮像素子をずらしてこの○と○の間の画像データを取り込んでやろうという考えです。 実際には下の図の様に16Mを4倍の64Mの画像で取り込んで、それをJPGファイルに変換する際2.5倍の40M相当の画像にしている様です。 撮影に際しては、被写体もカメラも微塵も動いてはいけないので、撮影に当たっては以下の条件が付加されいます。 回析の影響を避けるため絞りは開放からF8まで、またノイズの影響を避けるためシャッタースピードは最高速(1/8000)から8秒まで、ISO感度はISO LOWから1600の間との事です。 また、解像力の高いM.ZUIKO PROやM.ZUIKO PREMIUMレンズを使うことで、高い効果を得ることができるそうです。 また風で揺れている木々をワンショットハイレゾで撮影すると、多重露光の様な画像になって見苦しくなるのですが、小川の流れの様に長時間露出した場合は、多重露光の影響は消されてワンショットハイレゾの効果を活かす事ができるそうです。 リアル・レゾルーション・システム次はペンタックスのリアル・レゾルーション・システムです。 手ぶれ補正機構を利用し、イメージセンサーを1画素ピッチずつ動かしながら4枚を連続撮影します。 1画素ごとにRGB各色の情報を得ることで、1枚の超高精細画像を生成する技術です。 と聞くと、何となく前述のハイレゾショットと同じに思われるかもしれませんが、違います。 ミソはRGB各色の情報を得る、という所です。 ではリアル・レゾルーション・システムの説明の前に、一般的なカメラはどうやって画像を情報を得ているかをご説明したいと思います。 【1画素情報】恐らくどなたも、撮像素子の前に赤緑青の三色のフィルターが乗っている事はご存じでしょう。 そして1画素(1ピクセル)の上には、赤青緑のどれか1色のフィルターが乗っていることもご存じでしょう。 という事は、1画素は1色分の情報しか持っていないと思われていませんでしょうか。 ところが、カメラの1画素は3色分の色情報を持っているのです。 ではどうやって、他の色情報を持っているかと言えば、周囲の色情報から推測しているのです。 例えば赤のフィルターの画素の場合、右隣の緑の明るさが100で、左隣の緑の明るさが98だとしたら、多分自分の場所の緑の明るさは、99だろうと予想して、3色の色情報を補完するのです。 すなわち、1画素の色情報のうち、2色は補完された色情報という訳です。 リアル・レゾルーション・システムではリアル・レゾルーション・システムはどうしているかと言えば、先ほどお伝えした様に、イメージセンサーを1画素ピッチずつ動かしながら4枚を連続撮影し、1画素ごとにRGB各色の純粋な情報を得ているのです。 通常では表現できない解像力と色再現性が得られ、偽色も発生しないのです。 また1画素を4回取り込むため、感度ノイズを大幅に低減できるのもメリットになります。 なおリアル・レゾルーション・システムとハイレゾショットの本質的な違いは、拡大表示や大判プリントでなくても、ひと目で分かるほど画質に違いがあらわれる事です。 まとめ
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