スマホ V.S. コンデジ
(どうしてもスマホがコンデジを超えられない4つの障壁)
Janualy 2019: release
はじめに
スマートフォン(スマホ)によって、その座を奪われたコンパクトデジタルカメラ(コンデジ)。
と言われて久しいのですが、下のデジタルカメラの出荷台数をご覧頂きます様に、どうしてどうしてコンデジ(Camera with built-in lens:レンズ一体型カメラ)も依然しっかり生き残っています。

ようやく下げ止まったレンズ一体型カメラの出荷台数(青グラフ)
なぜならば、スマホのカメラがどうしてもコンデジを超えられない、4つの壁があるからです。

iPhone 6s Plusの背面カメラ
今回は、それが何かをお伝えしたいと思います。
これを知って頂ければ、コンデジでは撮れて、スマホでは撮れない写真はどんなものがあるか、分かって頂けると思います。
なおスマホと、それこそ数十万円もする高級カメラと比較するのは酷なので、ここでは先ずスマホと同じ大きさの撮像素子(1/2.3型もしくは1/1.7型)を搭載する、小型のコンデジと比べてみたいと思います。
可変式モニター
コンデジのアドバンテージはいくつかあるのですが、本書が真っ先に挙げたいのはコンデジのモニターが可変式だという事です。
モニターが可変式という事は、スマホが得意の自撮りができる事と思われるかもしれませんが、そうでもありません。

Lumix DC-TZ90の可変式モニター
モニターが可変式ですと、上から俯瞰した撮影や、下から見上げた撮影が用意にできるのです。

上から撮った俯瞰写真
一方スマホを持ち上げて俯瞰した写真を撮ろうとすると、モニターが見えないので被写体をフレームの中央に入れるのはかなり難しく、気が付いたらしっかり自分の足が写っていたりします。
また下からの写真を構図を決めてしっかり撮るには、どうしても地面に寝転んで撮る事になります。
ついでにお伝えすると、人物写真の場合被写体の中央から撮った方が自然に写ります。
このため、(フィルムカメラ時代ですが)人物撮影でウェストレベルファインダーを搭載した中判カメラが多用されたのは、これが理由の一つでした。

こんな撮影も、可変式モニターがあれば、楽な姿勢で行なえます。
なおついでにお伝えしておきますと、スマホの画面は直射日光が当たると殆ど見えなくなります。
一方コンデジの場合、モニターの輝度が高いと共に、モニターを少し傾けるだけで画面が見易くなるという利点もあります。
一度可変式モニターを使うと、二度と元には戻れません。
ストロボ内蔵
2番目のアドバンテージは、ストロボが内蔵されている事です。

ストロボが内蔵されたCanon IXY 200
コンデジの場合でしたら、どんなに小型の機種でもストロボが内蔵されていますので、夜間の撮影領域を大きく広げてくれます。
またストロボを使うのは夜だけだと思われるかもしれませんが、昼間でも逆光を補正したり、ネックレスを光らせたり、瞳にキャッチライト入れたりするのにかなり有効です。

日中シンクロは逆光補正やネックレスを光らせるのに有効
一方スマホの場合、LED照明が発光しますが、光はほんの近場までしか届きません。
いつかスマホにもストロボが搭載されると思われるかもしれませんが、その可能性は限りなくゼロです。
その理由は発光部の大きさもあるのですが、最大の要因はストロボ用のコンデンサーが予想外に大きい事です。

IXY DIGITALのストロボ用コンデンサー
上はキヤノンIXYのストロボ用コンデンサーですが、ご覧の様に直径は10mmほどあります。
ですので、厚み7mm前後のスマホに入れるのはどうしても無理があるのです。
また当然ながらストロボを発光すると電池も多く消耗しますし、発熱量も相応ですので、今後も搭載される事はないでしょう。
光学ズームレンズ
3番目のアドバンテージは、光学ズームレンズを搭載している事です。
先ほどから何度か出ているキヤノンのIXYシリーズでさえ、今どきでしたら機種によって光学8倍~12倍のズームを搭載しています。

光学12倍ズームを搭載したIXY 650
また標準的なモデルでしたら、光学20~40倍ズームが当たり前になっています。

光学40倍ズームを搭載したキヤノンのPowerShot SX720 HS
更にグリップタイプでしたら、何と光学125倍というとんでもない機種まで存在します。

光学125倍ズームを搭載したニコンのCOOLPIX P1000
さすがにこれは特殊な機種ですが、光学ズームに関してはコンデジの独擅場と言って良いでしょう。
一方スマホの場合、デジタルズーム機能はあるものの、これは単に画像の一部分をデジタル処理で引き延ばしているだけですので、画質は光学ズームより明らかに劣ります。
また昨今は焦点距離の異なる複数のレンズ(カメラ)を搭載していますが、これとても28mmと57mm程度でとてもコンデジには太刀打ちできません。
完全防水
最近はスマホでも防水機能搭載が当然になってきていますが、それでも水の中に沈めて撮る人はいないでしょう。
ましてや、錆びやすい海水ならなおさらです。
これに対してコンデジにおいては、水深15mまで潜れる完全防水のカメラが数種類あります。

20m防水のフジフィルムFinePix XP130
波打ち際で撮影しようと思うと、どうしてもこんな機能が必要になります。

水しぶきが心配な波打ち際での撮影
ですが、これをスマホで達成するとなると、水圧に耐えられる強度と密閉性が必要になりますので、どうしても外装の厚みが増す事になります。
という訳で、これもスマホが実現させるのはかなり難しいと言えます。
まとめ
さて、最後にまとめです。
お伝えしました様に、スマホがコンデジを超えられない4つの障壁とは、可変式モニター、ストロボ内蔵、光学ズーム、それに完全防水です。
ではこの4点の機能を網羅したコンデジがあるのはご存知でしょうか?
それがオリンパスのTG-860とTG-870です。

15m防水のオリンパスTG-860
いずれも既に生産終了になっているのですが、何とか復活してほしいものです。