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Photo Cafeteriaにようこそ。

写真やカメラに関するコンシューマレポート、テクニカルレポートは各種ありますが、ここでは余り知られていない耳寄りな情報を、小学生にも分かる様に平易にお伝えしたいと思います。

徐々に更新していきますので、もし宜しければ珈琲でも飲みながらお楽しみ下さい。



2021/8の新着情報


α7 IVのAF速度は世界最速
2021/08/31(火)

何の話題にしろ、噂話を聞くのは楽しいものです。

とあるネット情報によると、α7 IVのAF速度は世界最速との事です。

ところで、これってどうやって測定したのでしょうか?

ちなみにソニーは以前にも世界最速のAFを謳った事があります。

それはα6400で、発売時に世界最速0.02秒のAFを実現するAPS-Cセンサー搭載ミラーレス一眼カメラと紹介しています。


世界最速0.02秒のAFを実現すしたソニーのα6400

ただしこの注意書きとして、以下の一文が入っています。

2019年1月16日広報発表時点。ソニー調べ。APS-Cセンサー搭載デジタル一眼カメラとして。CIPAガイドライン準拠、内部測定方法、プリAFオフ時、ファインダー使用時。E 18-135mm F3.5-5.6 OSS(レンズ)装着時。

どうなんでしょう。

この様に暗いズームレンズ1本で世界最速を謳って良いものなのでしょうか?

もし問題ないとすると、他社のズームレンズの全ての焦点距離において、測定されたのでしょうか?

この様なアナウンスに対して、他社からクレームは来なかったのでしょうか?

噂話にごちゃごちゃ言ってもしょうがないのですが、果たしてまたソニーが世界最速を謳うかどうか気になります。



α7 IVは3300万画素
2021/08/28(土)

長い間ベールに包まれていたα7 IVの画素数がついに明らかになりました。

SonyAlphaRumorsによると、次期α7 IVは何と3300万画素の新しい撮像素子を搭載するとの事です。

幣サイトでは、恐らく現行機と同じ2400万画素の撮像素子を流用すると思っていたので、これは正直かなりの驚きです。

と言うのは、画素数が増える事によって、色々不利な点が出てくるからです。

先ず価格ですが、α7 IIIの発売時の価格が22万円前後と非常に魅力的なものだったのに対して、25万円を超えるのは間違いないでしょう。

もしかしたら、30万円近い値付けになるかもしれません。

撮像素子はソニーお得意の裏面照射型でしょうが、画素数が1.4倍になるという事は1画素の受光面積は1/1.4倍に減りますので、感度的には0.5段不利になります。

ただし、これは頑張って最大常用ISO感度はα7 IIIと同じ51200を達成してくるかもしれません。

また、本撮像素子の積層型は次期α9 IIIに使うのでしょうから、電子シャッターの幕速度は、現行のα7 IIIの1/30秒より大きく改善される事はないでしょう。

すなわちローリング歪のレベルも、α7 IIIとほぼ同じと予想されます。

またα7 IIIは通常2枚使用するローパスフィルターを1枚だけ使用していましたが、α7 IVにおいては解像感はアップするものの画質的には不利なローパスフィルターレスになるのでしょう。

そして最大の関心事は、クロップ無しで4K60Pを達成するかどうかです。

フルサイズで3300万画素という事は、16:9の動画サイズでしたら上下がカットされた2800万画素(3300万画素×0.84)になります。



これを動画サイズに直すと、何と7K相当の画素数になるのです。

お伝えした様にα7 IVの撮像素子が積層型ではない一般的な裏面照射型だとすると、4K60Pで7Kの全画素を読み込むのはかなり難しいのは間違いないでしょう。

そうなると、画素数が増えたた事に伴い4K60PはAPS-Cサイズとほぼ同じスーパー35mmのクロップのみになる可能性が十分あります。

或いは、α7Rシリーズの様に間引きでフルサイズの4K60Pを撮れる様にする手もありますが、画質が大幅に落ちるのでさすがにそれはないでしょう。

という事は、画素数は異なるものの動画性能は同じ価格帯のNikon Z 6IIと同じになってしまいます。


α7 III

Nikon Z 6 II

それだけならまだしも、もしFHD120Pもクロップとなれば、Nikon Z 6IIより劣る事になります。

またα7 IVがもし30万円近い価格になると、オーバーサンプリングで4K60Pが撮れる同価格帯の2000万画素のEOS R6(90%クロップ)や2400万画素のLumix S5より劣る事になってしまいます。


EOS R6

Lumix S5

以上をまとめると、α7 IVは画素数がアップしたものの、ISO感度やローリング歪は現行品と同じで、動画は4K60Pが撮れる様になったもののクロップで、価格は他社機並みになるという訳です。

α7 IIIが登場した頃は、まだ他社からフルサイズのミラーレスカメラは出ていなかったのですが、それから3年経った今となっては、当時の神通力は無くなった様な感があります。

果たしてこの予想は当たるのでしょうか?


AF OFFボタンの勧め
2021/08/24(火)

以前”時代遅れの親指AF”なる記事の中で、親指AFの唯一無二のメリットは、コンティニュアスAFにおいて、AFロックができる事だとお伝えしました。


Nikon D850のAF-ONボタン

それに関連して、お便りを頂きました。

それによると、その方は親指AFは一度も使った事はないが、AF-ONボタンにはAF-OFFを登録しているとの事です。

これはかなりスマートな方法ではないでしょうか。

通常は押し易いシャッターボタン半押しでAFを動作させ、AFロックが必要な時だけ、AF-OFFボタンを押す。

もしコンティニュアスAFでどうしてもAFロックを使う必要のある方でしたら、この方法がベストではないでしょうか。



同じ幕速度のメカシャッターと電子シャッターで、撮った画像に違いはあるのか?
2021/08/24(火)

ご存知の様に、ソニーのα1が電子シャッターの幕速度1/200秒を達成しましたので、一般的なメカシャッターと同じ幕速度1/250秒を達成する電子シャッターを搭載したカメラが登場するのも時間の問題でしょう。


電子シャッターの幕速度1/200秒を達成したSONY α1

では、そこで問題です。

幕速度1/250秒のメカシャッターで撮った写真と、同じく幕速度1/250秒の電子シャッターで撮った写真とでは、動体歪やフリッカーの発生程度は同じになるのでしょうか?

それとも違うのでしょうか?

答えは、全く同じになります。

違いと言えば、メカシャッターの音と振動が無くなる事くらいです。

そういう意味からすれば、(違いが分かるかどうかは別にして)電子シャッターの方がメカシャッターの振動が無くなる分、ブレ難くなると言えます。

果たしてニコンのZ 9とキヤノンのEOS R3は、メカシャッターを削除するのでしょうか?

楽しみです。


動画の画像読み込み方法
2021/08/23(月)

これで終わりにしようと思っていたのですが、またまた閃(ひらめ)いてしまいました。

以前、動画の画像読み込み方法に関して以下の様な表を作成したのですが、はっきり言ってこれは間違いです。

動画の画像読み込み方法 説明
ピクセルビニング 複数の画素をまとめて1個の画素として読み込む。
どうみても画像を劣化させてしまいそう。
オーバーサンプリング 動画が必要とする以上の画素を読み込んで後で縮小処理する
画像処理を高速で行なう必要があるが、画質は最も良さそう。
ドットバイドット 動画が最小限必要とする全画素を読み込む。
オーバーサンプリングより画質は劣りそう。

正しくは、以下です。

動画の画像読み込み方法 別名 説明
オーバーサンプリング ピクセルビニング
画素加算(パナソニック)
複数の画素をまとめて1個の画素として読み込む。
解像度は落ちるが、感度がアップし画質も良くなる。
画素間引き 画素加算(ソニー) 画素を間引いて読み込むので、斜め線はギザギザになり画質も低下する。
ドットバイドット N/A 動画が最小限必要とする全画素を読み込む。
オーバーサンプリングより画質は劣りそう。

100%とは言わないまでも、これでほぼ間違いないでしょう。

多少解説しますと、今までオーバーサンプリングとピクセルビニングは異なるものだと思っていたのですが、ヨクヨク考えてみると同じものだったのです。

そしてもう一つ気が付いた事は、この中で一番画質が良いのはオーバーサンプリングで、2番目がドットバイドット、最後が画素間引きだと思っていたのですが、それも間違いだという事です。

正しくは以下の順番になります。

ドットバイドット > オーバーサンプリング > 画素間引き

オーバーサンプリングと聞けば、何となくその方が画質が一番良い様に思ってしまいますが、複数の画素を1画素として処理するより、元々大きな画素を1画素として処理する方がシンプルで画質が良いのに決まっています。

またその理屈から言えば、8Kのオーバーサンプリングから生成した4K動画の画質より、6Kから生成した4K動画の画質の方が上と言えます。

キヤノンが暫くドットバイドットにこだわっていたのも、その理由からでしょう。

ではどの機種の動画の画質が一番良いかを知るために、上記の表に該当する機種を抽出してみました。

動画の画像読み込み方法 該当機種
オーバーサンプリング α7 IIIの4K30P(フルサイズ)
α7R IVの4K30P(クロップ)
EOS R6の4K60P(フルサイズ)
EOS R5の4K60P(フルサイズ)と4K120P(フルサイズ)
Nikon Z 6 IIの4K30P(フルサイズ)と4K60P(クロップ)
画素間引き α7R IVの4K30P(フルサイズ)
ドットバイドット α7S IIIの4K60P(フルサイズ)と4K120P(10%クロップ)
EOS Rの4K30P(クロップ)

すると上の表にあります様にフルサイズの4K動画においては、α7S IIIが一番という事になります。

オーバーサンプリングにおけるフルサイズの4K動画で比べると、2000万画素のEOS R6の画質が一番と言えます。

端的に言ってしまえば、動画で最高画質を求めるのであれば、(ドットバイドットで読み込める)動画の画素数に合った機種が一番という事です。


4K解像度とほぼ同じ885万画素のCMOSセンサーを搭載したEOS C70(60万円)

EOS R5の横方向の画素数が、DCI 8Kとピッタリ同じ8192ドットなのも頷けます。

なお本件に関する記事をアップしてみましたので、もし興味がありましたらこちらへ。



ソニーの呼ぶ画素加算とは画素間引きの事だった
2021/08/21(土)

この所、高画素機における画素数の減らし方についてお話させて頂いておりますが、今回は(多分)最終回です。

それではもう一度、ソニーのカメラの説明文を見て頂けますでしょうか。

フルサイズ領域での画素加算のない全画素読み出しにより、4K映像に必要な画素数の約2.4倍の豊富な情報量を凝縮して4K映像を出力。
モアレやジャギーの少ない高い解像力の4K動画画質で撮影が可能。

この文からすると、画素加算した動画はモアレやジャギーが起こるという事で間違いないでしょう。

一方本来のピクセルビニングとは、例えば2×2の4画素を一つの画素と扱う事によって、解像度は落ちるものの、感度も画質も上がる事を指します。


ピクセルビニングのイメージ図

そんな訳で、ピクセルビニングをより正確な日本語で表すとしたら、(画素加算ではなく)画素合算ではないでしょうか。

ところがソニーが呼ぶ所の画素加算を行うとモアレやジャギーが発生するという事は、これはどうみても画素を間引いて読み込んでいるとしか思えません。


画素間引きのイメージ図

画素を間引くとは、2個ある画素の内の1個だけ読み込んで画素数を半分にし、3個ある画素の内の1個だけ読み込んで画素数を1/3にする手法です。

この場合、斜め線はギザギザになり色の補完もまともにできないため、ボロボロとまでは言わないまでも、画質は大幅に劣化するのは間違いありません。

ちなみにパナソニックもピクセルビニング画素加算と呼んでいるのですが、この場合は本来のピクセルビニングの事を指しています。

そんな訳で今後幣サイトでは、ソニーが呼ぶ所の画素加算を括弧書きで画素間引きと呼ぶ事にしたいと思います。



画素加算とピクセルビニング
2021/08/20(金)

画素加算なる単語を聞かれた事はありますでしょうか?

ソニーのカメラの説明に、以下の様に使われています。

フルサイズ領域での画素加算のない全画素読み出しにより、4K映像に必要な画素数の約2.4倍の豊富な情報量を凝縮して4K映像を出力。
モアレやジャギーの少ない高い解像力の4K動画画質で撮影が可能。

そう聞くと、何となく足りない画素を何処から持って来て追加した様に思えます。

従来はそんなものだと勝手に思っていたのですが、最近になってどうも画素加算とはピクセルビニングの事ではないかと思ってきました。

ビニング(binning)とは、入れ物に何かを詰め込む事で、ピクセルビニングとは複数の画素をひとまとめにして1画素と扱う事です。

このため、もしかしたらどこかの誰かが、これを画素加算と名付けたのではないでしょうか?

とは言え、加算したのならば増えるはずなのに、画素数は減っています。

このため、どうせならばピクセルビニング画素減算と名付けるべきだったのではないでしょうか。



高画素機は動画に不利
2021/08/20(金)

最近、思い至った事があります。

それは、高画素機は動画に不利ではないかという事です。

ご存知の通り、カメラの画素数は数千万(2000万~6000万)画素です。

それに対して、8K動画に必要な画素数はは3200万画素、4K動画は800万画素、FHD(2K)動画は200万画素です。

8K動画はともかくとして、今時一般的な4K動画やFHD動画は1千万画素以下で済むのです。

そうなるとカメラで動画を撮るためには、当然ながら画素数を減らすために何かをやらなくてはいけません。

そこで考えられたのが、以下の手法です。

動画の画像読み込み方法 説明
ピクセルビニング 複数の画素をまとめて1個の画素として読み込む。
どうみても画像を劣化させてしまいそう。
オーバーサンプリング 動画が必要とする以上の画素を読み込んで後で縮小処理する
画像処理を高速で行なう必要があるが、画質は最も良さそう。
ドットバイドット 動画が最小限必要とする全画素を読み込む。
オーバーサンプリングより画質は劣りそう。

上記以外にも、クロップして使う手もあるのですが、その場合オーバーサンプリングがドットバイドットのいずれかの読み込み方法になるので、上記表からは割愛しています。

上の表をご覧頂きます様に、仮にオーバーサンプリングが一番画質が良いとしても、そのためには高価な高速電子回路を使い、更には当然ながら電気を多く消耗します。

一方ドットバイドットですと、必要最小限の電子回路と電気消費で済みます。

実際4K動画用のプロ用機材であれば、画素数はどれも1千万画素以下です。


885万画素のスーパー35mm相当CMOSセンサーを搭載したEOS C70(60万円)

そんな訳で、4K程度の動画を撮るのであれば、画素数は小さい程有利だと思う今日この頃です。


α7S III

そう考えると、フルサイズ機であればα7S IIIが最も有利だと思うのですが、なぜあんなにも高いのでしょうか?

もし直接の競合機が存在しないせいだとしたら、他社からも打倒α7S IIIなる対抗機種を出して頂きたいものです。


星空ポートレート用カメラの試験計画書
2021/08/11(水)

幣サイトで何度もお伝えしております様に、星空ポートレートの様に非常に暗い場所で被写界深度を深くして撮るには、小型の撮像素子を搭載したカメラが有利になります。

としつこく言い続けても、それを立証しない事には絵に描いた餅になってしまいます。

そんな訳で、実際に撮り比べてどうなるか調べてみたいと思います。

とは言っても、闇雲に撮ってもしょうがないので、事前にどういう設定で撮って、撮った写真のどこをどう見比べれば良いかを明確にした試験計画書を作っておこうと思います。

先ず用意するカメラはフルサイズで2000万画素のEOS R6と、それ用のRF24-105mm F4レンズとEF-S10-22mm F3.5-4.5 USM、それにソニーの1型センサー搭載カメラのRX100Vです。

 
2000万画素の1型コンデジ(24-70mm F1.8-2.8)

これらの画角を全てフルサイズ換算の24mm相当にし、更に明るさが同じになる露出設定値を表にすると以下の様になります。

# 組み合わせ サイズ 画角 絞り シャッター
スピード
ISO パンフォーカスの
被写界深度
1 EOS R6
24-105mm F4
フル 24mm F4 30秒 6400 5.2mの設定で
2.7m~∞
2 EOS R6
EF-S10-22mm F3.5-4.5
APS-C
クロップ
24mm F4 30秒 6400 3.1mの設定で
1.6m~∞
3 RX100V 1型 24mm F4 30秒 6400 1.9mの設定で
0.9m~∞
4 RX100V 1型 24mm F2 30秒 1600 3.8mの設定で
1.9m~∞
5 RX100V 1型 24mm F1.8 25秒 1600 4.2mの設定で
2.1m~∞
6 RX100V 1型 24mm F2 15秒 3200 3.8mの設定で
1.9m~∞
7 RX100V 1型 24mm F1.8 13秒 3200 4.2mの設定で
2.1m~∞

この表だけ見ても何だか良く分からないと思いますので、少し解説しますと以下の様になります。

先ず①と②の違いですが、①はフルサイズで②はAPS-Cサイズにクロップした場合です。

これを異なるレンズを使って同じ24mmの画角で撮った場合、感度は同じでありながら被写界深度はクロップした方が深くなります。

③は、①②と同じ露出設定で1インチカメラで撮った場合で、被写界深度は②より更に深くなりますが、当然ながら撮像素子が小さい分、②より大幅に画質が劣る(ノイズが多い)事になります。

そのため、④はISO感度を1600まで下げて、被写界深度は多少②より劣るものの、恐らく画質は②かなりに近いだろうと推測される設定です。

更に⑤は、④と同じISO感度で、絞りを開放のF1.8にして、シャッタースピードを縮めています。

これによって、被写界深度は浅くなるものの、人物のブレを僅かながら抑える事ができます。

⑥は更にISO感度を3200にして絞りをF3、⑦は絞りをF1.8にしています。

これによって画質は④⑤より劣るものの、人物のブレを更に抑える事ができます。

これら③~⑦の5枚の写真と、②の写真を比べてみれば、どちらが星空ポートレートに向いているか分かるのではないでしょうか。

結果はいつかご紹介したいと思います。


ポートレートムービー
2021/08/14(土)

先日EOS R6で撮影した動画です。


ご存知の様に巷では、シネマ風と呼ばれる彩度やコントラストを抑えた眠たい色彩の動画が流行っている様ですが、コダクローム25の色味こそカラー画像の最高峰だと思い込んでいる幣サイトが目指す色味はこれです。



露出シミュレーションOFFの方がAF性能は上がる
2021/08/11(水)

以前この話はさせて頂きましたでしょうか。

カメラのAF性能は、被写体の明るさやコントラス、或いは横線縦線によって変化するものの、カメラの設定によって変化する事はない、と思ってしまいます。

ところミラーレスカメラになってから、そうではないのです。

露出シミュレーションをONにするより、OFFにした方がAF性能は上がるのです。

もし嘘だと思われましたら、下の動画をご覧頂ければと思います。


本実験は手持ちのEOS R6を使って行なっていますが、どの機種も同じだと思って間違いはないでしょう。


撮像素子が小さいにも関わらず高感度なカメラ
2021/08/10(火)

ご存知の様に、同じ画素数であれば、撮像素子が大きいほど高感度になります。

ところが、撮像素子が小さいにも関わらず高感度なカメラが存在するのです。

と言うのは、もし同じ画素数で似た様な構造であれば、下の表にあります様に一般的なAPS-Cサイズの撮像素子の面積はフルサイズの43%ですので、その感度はフルサイズに対して半分以下(43%)に低下する筈です。

種類 横(mm) 縦(mm) 面積(mm2) 面積比
フルサイズ 36 24 864 100%
一般的なAPS-Cサイズ 23.6 15.6 368.16 43%
キヤノンのAPS-Cサイズ 22.2 14.8 328.56 38%
マイクロ4/3 17.3 13 224.9 26%
1型 13.2 8.8 116.16 13%
1/1.7型 7.6 5.7 43.32 5%
1/2.3型 6.2 4.7 29.14 3%
撮像素子の大きさとフルサイズと比べた面積比

例えば2400万画素のフルサイズ機の最大常用ISO感度が51200だとしたら、同じ2400万画素のAPS-Cサイズ機の最大常用ISO感度は22000(=51200×0.43)程度になるはずです。

またマイクロ4/3でしたら、フルサイズの面積の26%ですので、感度は1/4(26%)に低下して最大常用ISO感度は13000程度になるはずです。

ところが実際のカメラの最大常用ISO感度を見てみると、そこまでは落ちないのです。

下のチャートは、フルサイズから1/2.3型までの撮像素子を搭載した代表的な5機種のカメラのISO感度を棒グラフにし、更にフルサイズの最大常用ISO感度を基に計算した理論上の最大常用ISO感度を赤点でプロットしたものです。


フルサイズから1/2.3型の撮像素子を搭載したカメラのISO感度スパン

これをご覧頂きます様に、APS-Cサイズ機(SONY α6400)の最大常用ISO感度(32000)は、理論上の最大常用ISO感度(22000)より0.5段高くなっています。

更に、マイクロ4/3(Lumix G9)より小さい機種では、1段程実際の最大常用ISO感度の方が高くなっています。

なお上のチャートのAPS-Cサイズ以上の機種は2400万画素、マイクロ4/3以下の機種は2000万画素ですので、それを考慮すると、正確には理論値より2/3段ほど高くなっています。

この理由は、恐らく小型の撮像素子を搭載した機種は、アンプのゲインを上げ気味にして、(低感度を犠牲にしてでも)高感度優先の設計をしているからなのでしょう。

では、この中で撮像素子が小さいにも関わらず高感度なカメラ(すなわち理論値より実際の最大常用ISO感度が高いカメラ)はどれかと言えば、マイクロ4/3(Lumix G9)と1型(RX100V)のカメラが同率1位と言えます。

なおここでは代表機種として上記5機種のカメラを載せましたが、同じ大きさで同じ画素数の撮像素子を搭載した機種であれば、どれも似た様な傾向になると思って良いでしょう。

そんな訳で、もしボケの効果は然程重要ではないので、撮影機材を少しでも軽くしたい、でも極力高感度特性は犠牲にしたくない、という場合にはマイクロ4/3や1型のカメラがお勧めと言えそうです。

防水ビデオカメラ
2021/08/09(日)

これまた全く知りませんでした。

何とJVCケンウッドから防水仕様のビデオカメラが発売されているではありませんか。


JVCの防水ビデオカメラGZ-RY980

この様に昔ながらの横持スタイルで防水仕様とは珍しい。

以前なら別売の防水カプセルが必要だったのですが、これだけで水深5mまで潜れるそうです。

また4K30PとFHDの120fpsにも対応しています。

では、小型でやはり防水仕様のアクションカメラとどこが違うかと言えば、フルサイズ換算で30-300mmの光学ズームが使える事です。

これで大きめの撮像素子を搭載していればと思ったのですが、極々一般的な1/2.3型でした。


1枚目が肝心
2021/08/02(日)

何方も同じ様な経験をされた事はあるでしょう。

撮影を開始した直後の1枚目で、いきなり失敗写真を撮ってしまった事を。

これがもしすんなりツボにはまった写真になれば、後の撮影もスムーズにいくのですが、1枚目で転んでしまうと、アレ何なんだこれはと、オロオロする事になります。

特に相手のある人物撮影では、一気にモデルを不安にさせます。

この原因は、環境が変わったのにも関わらず、前回の設定のまま撮影してしまったからです。

例えば、フォーカス位置を端に置いたまま撮ってしまった、シャッタースピードをストロボの同調速度にしていた、ISO感度を高感度に固定していた、ホワイトバランスをカスタムにしていた、NDフィルターを付けたままにしていた等々、色々考えられます。

これを防ぐためには、やはりシャッターボタンを押す前に設定を事前に確認する事でしょう。

そう思って作ったチェックシートが以下になります。

レンズ ①フィルターの種類
②手振れ補正のON/OFF
③AF/MFの切り替え
カメラ ④露出モード
⑤絞り値
⑥シャッタースピード
⑦ISO感度
⑧AFモード
⑨ホワイトバランス
⑩ドライブモード

カメラがデジタルになってから、安易にシャッターボタンを押すくせが付いてしまいましたが、むしろシーンが変わる度に、これらを事前にチェックした方が、撮影がスムーズにいくのは間違いありません。

急がば回れ。

昔の人は良く言ったものです。

ソニーのZV-E10はNEX-3Nの再来
2021/08/01(日)

ソニーから噂のZV-E10が発売されました。


ソニーのZV-E10

ご存知の様に本機は、V-Log用に開発された1インチサイズ機でZV-E1の上位機種で、APS-Cサイズの撮像素子を搭載しています。

これによって、当然ながらZV-E1より背景をボカス事ができます。

それは当然として、驚くべきはその価格です。

一時期は、何でもかんでも値段を高めに設定していたソニーが、いよいよ低価格戦略に乗り出してきた様な感じです。


ZV-E1

ZV-E1+標準ズーム

α6100

α6100+標準ズーム

上に有ります様に、当初ボディーだけで8万円、標準ズームレンズ付きで9万円のバーゲンプライスだったのですが、一ヶ月も経たない内に更に1万円も下がっていますです。

当然ながら作像系はα6100を流用で、ボディーはプラスチックなのでしょうが、この価格は衝撃的ではないでしょうか。

これで分かるのは、α6100のボディーが現在10万円前後ですので、ファインダーを無くせば2万円近く安くなるという事です。

現状フルサイズ機でファインダーが無いのはシグマのfpぐらいですが、動画用として他社からもファインダー無しの機種を出して頂きたいものです。

 
ファインダーレスのSIGMA fp

話が逸れてしまいましたが、ZV-E10のもう一つ優れている点は、マイク性能と言われるかもしれませんが、幣サイトが指摘したいのはそれではありません。

シャッターボタンの近傍に、ズームレバーが設けられた事です。

レンズ固定式カメラであればシャッターボタン周辺にズームレバーがあるのは一般的なのですが、レンズ交換式カメラでは本当に少ないのです。

では過去どんなカメラに付いていたかと言えば、αシリーズの前身であるソニーのNEX-3Nに付いていました。


唯一シャッターボタン周辺にズームレバーがあったNEX-3N(2013/3発売)

一時期本機を使っていた事があるのですが、片手でズーミングまでできるので、本当に便利でした。

ところが本機以降、カメラ本体からズームレバーは削除されてしまったため、かなり長い間本機を使い続けていたものです。

V-Log用として評価されるZV-E10ですが、安くて、ファインダーレスで、ズーム操作も片手でできるお気軽カメラとして見れば、NEX-3Nの再来と言えそうです。

これでストロボを内蔵していれば言う事はないのですが、マイクに押しやられてしまった様です。



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