EOS R5とR6の失敗
2020/09/23:発行
2021/01/19:原因追記
2021/01/19:原因追記
はじめに
ご存知の様に全世界で売れに売れているEOS R5とR6です。
当初はカメラが売れないこのご時世ですので、それは良かったと思っていたのですが、ここまで来るとそうも言ってはいられない状況になってきました。
それは一体何かを、これからお伝えしたいと思います。
EOS R5とR6の入庫情報
どこのネット通販を調べても納期未定となっている両機ですが、何とか入庫時期の情報が無いかと調べに調べた所、ようやくCMJ( Canon Marketing Japan Inc. )の直販サイトに納期情報が見つかりました。
それによれば、EOS R6の納期は3ヶ月との事です。
という事は、もしEOS R6の月産台数が1.6万台だとすると依然4.8万台ものバックオーダーを抱えている事になります。
それで驚いてはいけません。
何とEOS R5に至っては、依然納期未定になっているではありませんか。
という事は、最低でも納期は4ヶ月以上先という事になります。
その場合、月産台数が1.2万台だとすると、最低でも同じく4.8万台以上のバックオーダーを抱えているという事です。
税込みで50万円もするカメラが、5万台近いバックオーダーを抱えるなんて事が過去あったのでしょうか?
キヤノンのカメラ部門から見ればウハウハでしょうが、ここまで来るとさすがに喜んでばかりもいられないでしょう。
何故ならば、オーダーして1ヶ月以内なら現品到着まで楽しみながら待てるでしょうが、それが1ヶ月以上となると次第に不安な気持が芽生え、さすがに2ヶ月以上経つと徐々に苛々が募り、3ヶ月目になればそれが不満に変わり、ついに4カ月目では我慢も限界に達し、間違いなくオーダーをキャンセルする事になるからです。
それだけならまだしも、金輪際キヤノンの製品を買わないと思う方もいらっしゃるかもしれません。
実際、可愛さ余って憎さ百倍の諺(ことわざ)がある様に、熱烈なキヤノンファンの方ほどそうなる可能性が高いと言えます。
さらにウッカリ待たされている間にYoutubeでも見てしまったら、Youtuberの自慢げな解説に気持ちを逆なでされてしまいます。
別の記事でも書きました様に、ジャストインタイムの生産方式を徹底している企業ほど増産は難しのですが、さすがに顧客を3ヶ月以上待たせるのはかなりのリスクをはらんでいます。
ここは多少の無理をしてでも早期にこの品薄状態を解決しなければ、今後かなりマズイ事になるのではないでしょうか。
具体的には、もしこのままクリスマス商戦まで品薄状態が続く事になるとしたら、両機は逆の意味でも後世に名を残す事になるかもしれません。
まとめ
幣弱小サイトが言うまでもなく、この事態をキヤノンとしても深刻に受け止めている事でしょう。
ですが、2020年9月22日付のカメラWatchに掲載されたキヤノンの浮かれたインタビュー記事を読んでガッカリさせられた方も多かったのではないでしょう。
本来ならばこの大幅な出荷遅延に関して、どう対応しているかコメントを出すべきではないでしょうか?
また、3ヶ月以上先にならないと買えない商品を頻繁に宣伝する姿勢にも少なからず疑問があります。
3ヶ月以上先にしか買えないにも関わらず頻繁に目にするEOS R6のネット広告
フルサイズのミラーレス一眼が全世界的に一気に普及しようとしているこの時期ですので、そのモメンタム(勢い)に水を差す様な事を何としてでも回避して頂ければと、切に願う次第です。
品不足の根本原因
2021/01/19:追記
やっと分かりました。
EOS R5/R6の品不足の根本原因が、ようやく分かりました。
依然品薄状態が続くEOS R5とR6
コロナの影響による部品供給の遅延ですとか、予想以上の人気だったとか色々要因があるのでしょうが、発売から既に半年も経ちながら依然国内での供給不足が続くのはどうみても解(げ)せません。
ですが、2021/1/14付けの日経の記事でようやくその理由が判明しました。
中国です。
中国の爆買いが原因だったのです。
下はCIPAが集計した、2019年の地域別ミラーレス一眼出荷台数と地域別販売比率を表すグラフです。
2019年の地域別ミラーレス一眼出荷台数と地域別販売比率
これをご覧頂きます様に、昨年の中国におけるミラーレス一眼の出荷台数は、日本を超えてはいたものの、日本とほぼ拮抗しています。
しかなしながら2021/1/14付けの日経の記事によれば、キヤノンはデジタルカメラの中国販売などが好調で2020年12月期の連結純利益を上方修正すると発表したとの事です。
このデジタルカメラと言うのは、当然ながらEOS R5/R6を指すのは間違いありません。
そして中国販売などが好調で、というのは中国で予想以上に売れたという事です。
この予想以上に売れたたというのがどれくらいの量なのかは不明ですが、ここまで書かれているという事は、北米やEUを超えるほどの販売量になった可能性は十分あります。
そんなまさか~、と思われるかもしれませんが、何しろ中国の人口は14億人なのですから。
このため、日本を始めとする全世界への製品供給が一気に滞ったのです。
実は似た様な事は以前iPhone 6でも発生した事があり、このため日本でのSIMフリーモデルの発売が、何の説明もないままいきなり一時中断された事もあったのです。(詳細はこちら)
中国人爆買を、決してなめてはいけません。
こうなると、当分RFレンズも品薄状態が続くのかもしれません。
余談ながらせめてもの救いは、入国制限により海外からの買い占めグループがいない事ぐらいでしょうか。
そんな訳で、もうじき発表されるであろう、2020年のCIPAの集計データに注目です。