ボケ易い単焦点レンズのベスト15
(お勧めポートレート用レンズ)
2020/01: 発行
2020/05:誤記訂正
2020/05:誤記訂正
第0位: 135mm F1.4
上半身撮影距離:3.2m
135mm F1.4のレンズは、中国メーカーの中一光学から既に発売されていたのですが、この度このレンズに関するキヤノンのパテントが見つかったとの事なので、早速そのボケ量を計算してみました。
写真は中一光学のSPEEDMASTER 135mm F1.4
ご存知の様にこれより2/3段(注)暗い135mm F1.8の大口径レンズは、既にSONYやSIGMAから発売されており、下のチャートにあります様にそのボケ量の順位は市販レンズ中第5位です。
今回の135mm F1.4は、それと比べるとほんの2/3段明るいだけですので、順位としては105mm F1.4を超えるのは間違いないとしても、1位の200mm F2.0を超すかどうかが最大の見所と言えます。
Canon EF 200mm F2L IS USM(2008/4~)
φ128mm×208mm 2.5kg 72万円
AF-S NIKKOR 200mm f/2G ED VR II (2010/10~)
φ124mm×203.5mm 2.9kg 75万円
仮にそうだとすると、本レンズの主戦場は恐らく(200mm F2.0と同様)屋内競技場であり、1.4倍のテレコンバーターを付けて270mm F2.0として、135mm F1.4との両刀使いを想定しているのでしょう。
また他社と差別化するため、白レンズになるのかもしれません。
RF135mm F1.4L USMの予想外観
そう思うと、恐らくかなり高価なこのレンズにそれ程の興味は湧きません。
と、そんな事をフツフツと思いながら計算してみると、予想外の事態に陥りました。
何と上のチャートをご覧頂きます様に、135mm F1.4レンズのボケ量は、200mm F2.0を軽く超えてしまい、更には既に生産中止となった幻のレンズとも言える200mm F1.8をも超えてしまったのです。
もう2度と造れないCanon EF200mm F1.8L USM(1988/11~)
φ130mm x 208mm 3kg 45.6万円(発売当時)
なお製造上のバラツキ等考慮し、ボケ量を有効数字3桁で丸めれば、ボケ量は両者とも215%と同率トップ(本書では0位)になります。
これは何方も予想しなかった展開ではないでしょうか。
ご存知かもしれませんが、200mm F1.8(具体的にはEF200mm F1.8L USM)が製造中止になったのは、環境問題で屈折率の高い鉛入りレンズを使えなくなったためです。
ですので、この様なボケ易いレンズは今後二度と製造できないと思っていたのに、こんな事が起きるとは。
ですので、前言撤回で俄然本レンズに興味が湧いてきてしまいました。
当然ながら本レンズを開発した背景は、キヤノンがボケの大きさに拘(こだわ)った訳でも、200mm F1.8に対する哀愁からでもないでしょう。
ですが、何方もこれで撮影したポートレート写真を1度は見てみたいと思われるのではないでしょうか。
本サイトも全く同感で、できれば本レンズの開放で撮った、赤坂見附の歩道橋、あるいは呉服橋の遊歩道、羽田の弁天橋周辺で都会の夜景をバックにしたポートレートを是非見てみたいものです。
閑話休題。
となると次なる疑問は、(この計算結果を見る前はどうでも良かったのですが)果たしてこれが実際に発売されるかどうかです。
この結果を見ると、発売される可能性がかなり高いのではないかと推測されますがいかがでしょうか。
何故ならば、昨今ソニーやシグマ、パナソニックという第3勢力がレンズの光学性能を大幅に高めてきていますので、キヤノンもニコンのノクト(NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noct)に並ぶ超ド級レンズをお披露目して老舗光学メーカーの底力を天下に鼓舞したい所でしょう。
ニコンの底力を見せつけたNIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noct
またフルサイズミラーレス一眼で先行するソニーに対して、そんなマウント径ではこんなに明るいレンズは作れまいと、地団駄を踏ませたい気持もあるかもしれません。
そして気になるお値段ですが、中一光学のSPEEDMASTER 135mm F1.4が33万円、ノクトが115万円、EF 200mm F2.0が85万円とすると、思いっきり勉強して95万円でいかがでしょうか。
そして1.4倍のテレコンバータが5万円として、100万円で135mm F1.4と270mm F2.0(EF300mm F2.8L IS II USMが75万円)の2本が手に入ると思えば安い物です。
どうせ買えないので値段なんかどうでも良いのですが、取り敢えず良い夢を見させて頂きました。
おっと、最後にもう一つ。
幸い200mm F1.8と同率0位になったため、お陰で幣記事の順位を総書き換えしないで済みましたし、下書きもこれで完成しました。
ですので、いつ発売されてもOKですよ。
キヤノンさん。
注:誤記訂正
2020/5/10
当初F1.4とF1.8の明るさの差は1/2段と記述していましたが、計算した所下の図にあります様に2/3段でしたので、お詫びして訂正致します。
どうやらこの1/2段と2/3段の僅かな差(1/6段)が、この予想外な結果になった模様です。